「バウハウス100年映画祭」近代建築の巨匠ら出演のドキュメンタリーを日本初上映

2019年8月12日 09:14

 「バウハウス100年映画祭」が、2019年11月23日(土)より、渋谷ユーロスペース他全国の劇場で順次開催される。

■6本のドキュメンタリーを日本初上映

 2019年に誕生から100周年を迎える総合芸術学校バウハウス。100周年を記念した展開会などのイベントが催されるなか実施される「バウハウス100年映画祭」は、バウハウスに関連したドキュメンタリー作品6本を、一挙に日本初上映するというものだ。

 『バウハウス 原形と神話』 『バウハウス・スピリット』『バウハウスの女性たち』 『ミース・オン・シーン』『ファグスーグロピウスと近代建築の胎動』『マックス・ビルー絶対的な視点』といったドキュメンタリーを通じて、“バウハウスとはいったい何なのか”を明らかにしていく。

■バウハウスとは

 バウハウスは、1919年、第一次世界大戦後のドイツで、芸術と技術の新たな統合を目指して設立された総合芸術学校。モダニズムのパイオニアとして、建築、インダストリアル・デザイン、グラフィック・アート、写真など幅広い分野で世界に衝撃をもたらし、今もなお世界中の芸術・建築に影響を与え続けている。

創設者は、フランク・ロイド・ライト、ル・コルビュジエと並ぶ近代建築の巨匠、ヴァルター・グロピウス。3代目校長は同じく歴史に名を残す近代建築の巨匠、ミース・ファン・デル・ローエが務めた。バウハウスはこれまでにない独自の教育システムを作り上げ、様々な芸術分野に革新をもたらしたが、ナチスの迫害を受け、わずか14年でその幕を下ろした。

■上映作品情報

 「バウハウス100年映画祭」では、合計6作品を4プログラム構成にて上映する。

■プログラムA

 『バウハウス 原形と神話』
概要:超一流の才能が集い、芸術全般に革命を起こしたバウハウス。その軌跡は神話となったが、そこには時代の波に翻弄された芸術家たちの喜びや苦闘があった。伝説的な教師達の薫陶を受けた当時の学生達の証言や、貴重な記録によって、バウハウスがたどった激動の道と知られざる物語が明かされる。

1999・2009/ドイツ/103分/原題:Bauhaus – Modell und Mythos
監督:ニールス・ボルブリンカー、ケルスティン・シュトゥッテルハイム
出演:ヴァルター・グロピウス、ヴォルフ・ヒルデブラント、ゲルトルート・アルント、フーベルト・ホフマン、ピウス・パール

■プログラムB

 『バウハウス・スピリット』
概要:スウェーデンの教室も時間割もない学校、ヴェネチア・ヴィエンナーレ金獅子賞のアーバン・シンクタンクが取り組む南米スラム街の住環境改善、低価格でバウハウス家具を復刻する企画、バウハウスの理論を身体で表現する試みなど、豊かな発想と斬新な手法で注目される人々を追い、現代に生きるバウハウスの精神を映し出す。

2018/ドイツ/52分/原題:Vom Bauen der Zukunft - 100 Jahre Bauhaus
監督:ニールス・ボルブリンカー、トーマス・ティエルシュ
出演:トルステン・ブルーメ、ローザン・ボッシュ、アルフレード・ブリレンブール、シュテファン・コヴァツ、フーベルト・クルンプナー

 『バウハウスの女性たち』
概要:当時最も先進的な芸術学校であったバウハウスは「年齢、性別に関係なく、誰もが学ぶ権利を持つ学校」と高らかに謳った。それは女性にも芸術の可能性を与える宣言となるはずだった。だが現実は簡単ではなかった。実は男性優位のバウハウスで、多大な成果を残したにも関わらず、影の存在となった女性たちの実像に迫る。

2019/ドイツ/44分/原題:Bauhausfrauen
監督:ズザンネ・ラデルホーフ
出演:エリザベス・オットー、テレジア・エンツェンスベルガー、モニカ・シュタットラー、パトリック・ロスラー、アンヤ・バウムホーフ、エレーナ・マカロワ

■プログラムC

 『ミース・オン・シーン』
概要:近代建築の三大巨匠の一人、ミース・ファン・デル・ローエ。彼の代表作でありモダニズム建築の最高峰と称される「バルセロナ・パビリオン」。この建物がなぜ今も語り継がれる傑作となったのか。その後バウハウス校長に就任するミースの建築思想とは。当時の記録と、現代の一流の建築家や学者などの証言で検証する。

2018/スペイン/58分/原題:MIES ON SCENE
監督:ペップ・マルティン、シャビ・カンプレシオス
出演:ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ、フリッツ・ノイマイヤー、エドゥアルド・メンドーサ、バリー・バーグドール、オリオル・ボイーガス

 『ファグスーグロピウスと近代建築の胎動』
概要:バウハウス開校の8年前、初期モダニズム建築の傑作「ファグス靴型工場」が建てられる。若き日のグロピウスは“労働者のための宮殿”を作りたいという工場主の夢を実現させるべく、新時代の工場を作り上げた。世界遺産に登録された今もなお、現役で稼働しているガラス張りの工場はなぜ生まれたのか。その歴史を追う。

2011/ドイツ/27分/原題:Fagus- Walter Gropius und die Fabrik der Moderne
監督:ニールス・ボルブリンカー、ケルスティン・シュトゥッテルハイム
出演:アンネ・マリー・イエギ、エルンスト・グレーテン、ヴァルター・シャーパー、エピファニオ・ディ・ロレンツォ

■プログラムD

 『マックス・ビルー絶対的な視点』
概要:彫刻家、画家、建築家、デザイナーなど、幅広く活動したマックス・ビル。バウハウス最後の巨匠とも言われる彼は、バウハウスで学び、後にその理念を受け継ぐウルム造形大学の初代校長を務める一方、政治活動にも積極的に関与するなど、激動の人生を送った。彼が追求した芸術とは何か。その生涯と思考に触れる。

2008/スイス/94分/原題:Max Bill - das absolute Augenmaß
監督:エーリヒ・シュミット
出演:マックス・ビル、アンゲラ・トーマス、ゴットフリート・ホーネッガー、イニャツィオ・シローネ、ヤコブ・ビル、エルンスト・シャイデッガー

【詳細】
「バウハウス 100年映画祭」
開催期間・開催場所:
2019年11月23日(土)より、渋谷ユーロスペース他全国順次開催

■上映作品:

A『バウハウス 原形と神話』
B『バウハウス・スピリット』『バウハウスの女性たち』
C『ミース・オン・シーン』『ファグスーグロピウスと近代建築の胎動』
D『マックス・ビルー絶対的な視点』

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