米デルタ航空、成田空港から撤退 羽田空港へ集約
2019年8月11日 18:41
■来年3月成田空港から撤退 羽田に集約へ
米デルタ航空は9日、2020年3月末をもって成田空港から撤退し、羽田空港へ路線を集約させると発表した。2019年の夏スケジュールでは、成田空港発着としてデトロイトやアトランタなど北米とアジアを含めて7都市と結んでいるが、これらの路線を見直し、全て羽田空港発着へ集約する。都心部からの利便性の良さ、国内線からの乗り継ぎの良さを生かし、北米路線における競争力を高めるという。
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■羽田空港の発着枠の確保が追い風に
今回の発表に先立って、米運輸省は、2020年夏スケジュールからの羽田空港発着における北米路線の発着枠12枠を、デルタ航空に5枠、ユナイテッド航空に4枠、アメリカン航空に2枠、ハワイアン航空に1枠を与えると発表した。
デルタ航空は、最大となる5枠を確保したことによって、現在運航している成田と北米(デトロイト・シアトル・ポートランド・アトランタ・ホノルル線)を結ぶ路線を移行する。既に羽田空港には、ロサンゼルスとミネアポリス線が就航しており、これらと併せて、アメリカの航空会社としては最大の7枠を確保する。
■東アジアハブとしての機能は終了
デルタ航空は、成田空港を東アジアの重要なハブ空港と位置付け、昼過ぎには第一ターミナルにデルタ航空の飛行機がずらっと並ぶ光景が見られた。これは、昼過ぎにアジア各地から成田に到着し、乗り換えて夕方から北米の各都市に向かって飛行機が飛ぶためである。
しかし、航空機の性能が良くなり北米とアジア各都市を結ぶ直行便ができたことや、同じアライアンス(スカイチーム)に所属する大韓航空のハブ空港であるソウル・仁川空港に乗り入れを増やしてきたことで、成田空港のアジアのハブ機能は近年薄れてきた。2020年夏からはマニラ・シンガポール便からも撤退するという意向が示されたことで、成田空港のハブ機能は終了することになる。(記事:speedbird・記事一覧を見る)