技能実習実施事業所、7割で労基法令違反
2019年8月9日 08:17
外国人が企業などでの実習を通して技術を習得し、帰国後に自国の経済発展を担える人材になるよう育成する「外国人技能実習制度」だが、厚生労働省が2018年に実習実施者7334事業所を監督指導した結果、70.4%で労働基準関係法令違反行為が見つかった。中には技能実習生を低賃金労働力確保の食い物にする悪質事業者もあった。厚労省は悪質な法令違反19事業者を送検していた。
労使協定を超えた残業や割増賃金の不払い、危険や健康障害を防止する措置をしていないなど、労働基準関係法令に違反する事例は依然として後を絶たないことが改めて浮き彫りになった。
厚生労働省が2018年の監督指導結果をまとめたところ、5160事業者で法令違反がみつかった。内容では労働時間(23.3%)の違反が最も多く(1)使用する機械に講ずべき措置などの安全基準(22.8%)、(2)割増賃金の支払い(14.8%)(3)労働条件明示(7%)などが目立った。
悪質なケースは送検するが、縫製業者は技能実習生全員(6名)に対し、総額約1000万円の賃金を所定支払日に支払わなかったばかりか、36協定を締結し、届け出ることなく、10か月の間、平均月178時間に及ぶ違法な時間外・休日労働をさせていた。日本企業への信用を大きく棄損する悪質なものだった。(編集担当:森高龍二)