NYの視点:米国のリセッション確率は上昇も、エコノミストは健全な成長を予想

2019年8月9日 07:37


*07:37JST NYの視点:米国のリセッション確率は上昇も、エコノミストは健全な成長を予想
エコノミストは米国や世界経済の見通しを軒並み引き下げた。ブルーンバーグが行った8月のエコノミスト調査で、世界貿易の緊張で経済に不透明性が広がったため米国経済が12カ月内に景気後退(リセッション)に陥る確率は35%と見ていることが明らかになった。前回予想の31%から上昇した。

リセッションの確率が上昇したにもかかわらず、エコノミストは依然健全な米国の経済を予想している。米労働省が8日発表した最新の週次新規失業保険申請件数も49年ぶり低水準付近で推移。米国の労働市場が依然強い新たな証拠となった。米国経済の本年の成長ペースは今のところ平均で2.3%の見通し。第2四半期の国内総生産(GDP)は+1.8%、第3四半期は+1.9%が予想されている。米商務省が利用しているモデルと似ているモデルを利用しその正確性に定評があるアトランタ連銀の第3四半期成長見通しも+1.9%。

一方で、米国のトランプ大統領は、「他国に比べて、米連邦準備制度理事会(FRB)が金利を高く設定しているため、ドルが高止まりしている」「このため、キャタビラー、ボーイング、ディア、米国自動車などの製造業が公平な土壌で競争することを困難にしている」とFRBの政策を批判。FRBによる大幅な利下げ、量的引き締めを解消することで米国企業が他国企業に勝利することができると訴えた。FRBの金融政策による強いドルには魅了されないと、ドル安誘導も行っている。当面はドルのもみ合いが予想される。《CS》

関連記事

最新記事