サンローラン、2020年春夏メンズコレクション発表
2019年8月8日 09:06
サンローラン(Saint Laurent)が、2020年春夏メンズコレクションをロサンゼルスにて発表した。
■洗練と自由のあいだで
マリブビーチを歩みゆくモデルが体現するのは"自由さ"。その着想源は、イギリスのロックバンド「ザ・ローリング・ストーンズ」のヴォーカル・ミック ジャガーと、フレンチ・ポップス歌手・セルジュ ゲンスブール。メゾンらしいエレガントなスタイルを通奏低音としつつ、ロックの自由奔放さとパリジャンの軽やかさを響かせた。
ベースとなるのは、トップにジャケット、あるいはカットソーやシャツをパンツにタックインしたスタイル。しかしそのブラック・スリムタイトの張り詰めた緊張感を破る、カジュアルな素材感やディテールが新鮮だ。緩やかなカットソー1つをとっても、刺繍やシースルー、起毛の工夫が凝らされる。首元は大きく開き、パリジャンの力まぬスタイルを表現。ブラウンのスエードジャケットやパンツ、刺繍入りのガウンなどと相まり、ボヘミアンな雰囲気が漂う。
縁取りされたショートジャケットや紋章入りのスタジアムジャンパーをはじめ、ザ・ローリング・ストーンズの脂の乗りきっていた1975年北米ツアーからインスパイアされたディテールが光る。カットソーやシャツを纏って胸を大きくはだけたステージ風のルーズスタイルでは、サテンなどの光沢感ある素材を使用、荒々しさを見せる手前で品のある煌びやかさを留めている。