【特集】「全米オープンテニス大会」と「ラグビー・ワールドカップ」のスポーツ・イベント関連銘柄を探る

2019年8月5日 10:30

■全米オープンテニス大会では2014年夏の「錦織フィーバー」の再現を期待

 兜町でも話題になった経緯のある「全米オープンテニス大会」と「ラグビー・ワールドカップ」の2大イベントが、株価材料に再浮上するかしないかは、錦織圭選手、日本代表の活躍次第となり、兜町からの絶大の応援は欠かせない。

 全米オープン大会が株価材料に再浮上する大前提は、もちろん錦織圭選手のトーナメントの勝ち上がりであり、合わせてヨネックスの5年前の株価人気復活である。2014年夏にヨネックスの株価は、7月末の734円が、8月29日には850円、9月末には1080円と大台に乗せる人気となり、その後もなお上値を追い2016年8月末には6870円高値まで大化けしている。この2016年は、リオデジャネイロ五輪が開催された年で、同五輪のバドミントン女子ダブルスで、高橋礼華・松友美佐紀組が、日本人初の金メダルを獲得したことがフォロー材料となった。

■ヨネックスの人気復活で関連株の出番も

 当時のヨネックスの業績は、2017年3月期の過去最高純益(30億3700万円)に向け毎期、毎期上ぶれ着地で推移したことも上値追いをサポートした。しかしこの後は、錦織選手もケガをするなど不調で世界ランキングを落とし、ヨネックスの業績も、中国でのバドミントン用品の在庫調整の影響で今度は、毎期、毎期下ぶれ着地が続き、株価も株式分割権利落ち安値527円まで大きく調整し500円台での底もみが続いた。この間、大坂なおみ選手が、全米オープン、全豪オープンのグランドスラムを連続制覇し、日本選手として初めて世界ランキング1位に躍進したが、大坂なおみ選手自体もその後の数々の大会で、格下選手に敗れるなど波が激しく、本格的なテニス人気再燃につながっていない。

 そのヨネックスの業績は、中国の在庫調整一巡からようやく底入れから回復ステージ入りとなり、今週8月6日に発表予定の今2020年3月期第1四半期業績の動向次第では、錦織選手の全米オープン大会の活躍と相乗し、2014年夏相場の再現の可能性も強まってくる。ヨネックスの人気復活となれば、関連株の出番も回ってくることになり、錦織・大坂選手が所属する日清食品ホールディングス<2897>(東1)、錦織選手にテニスウェアを提供するファーストリテイリング<9983>(東1)、スポンサーとなっているアサヒグループホールディングス<2502>(東1)、久光製薬<4530>(東1)、LIXILグループ<5938>(東1)、ジャックス<8584>(東1)、JAL<9201>(東1)などの露出度も高まり株価を刺激しよう。

 さらに全米オープンを中継放映するWOWOW<4839>(東1)には、新規加入件数急増が予想され、テニススクールを運営するルネサンス<2378>(東1)、ジェイエスエス<6074>(JQS)などには入会者も増加し、2014年に800億円とも試算された経済波及効果の再現期待が幅広く高まろう。

■ラグビーの2019年日本大会では搦め手から本筋株にグレードアップ

 ラクビーの2019年日本大会では、シンボル役として活躍しそうなのがサニーサイドアップ<2180>(JQS)とゴールドウイン<8111>(東1)である。サニーサイドは、昨年3月に世界最大級の総合イベント会社GLイベンツ社(フランス・リヨン市)と共同事業提携に合意するとともに、日本ラグビーフットボール協会の年間活動をサポートしており、2019年日本大会で再評価され、ゴールドウインは、「桜のジャージー」のラグビー・ジャージー関連である。

 同大会は、開催期間が44日間と国際スポーツ・イベントとして異例の長期にわたり全国12会場で48試合を開催するだけに経済波及効果も4372億円と見積もられており、前述の搦め手2銘柄から本筋銘柄のオフィシャルパートナーの大正製薬ホールディングス<4581>(東1)、TOTO<5332>(東1)、キヤノン<7751>(東1)、三菱地所<8802>(東1)、セコム<9735>(東1)、さらに会場の一つとなる東京スタジアムの命名権を保有する味の素<2802>(東1)などへ関連株買いが波及しよう。また全試合生中継のジュピターテレコムを傘下に持つ住友商事<8053>(東1)とKDDI<9433>(東1)も見直され、4K・8Kアンテナのエレコム<6750>(東1)も意外性を発揮しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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