急速に進むキャッシュレス決済 店選びにも影響か
2019年8月2日 11:59
支払いの際に現金を選ぶ人が日本にはまだ多い。現金主義を貫く理由は様々あるが、紙幣や硬貨のように一目見ればその価値が分かる現金には安心感を抱きやすいのも一つだろう。しかし消費税増税に伴うキャッシュレス決済時の消費者還元制度を目前に控えた今、現金主義からキャッシュレス決済へと移行した人も少なくはない。
キャッシュレス決済に関してアンケート調査を実施したのはJCBである。調査対象は全国の20代から60代の一般消費者1,000人と、レジ業務担当者やタクシーの運転手など、20代から60代の会計作業を行う特定職業従事者300人である。まず一般消費者に向けたアンケートの結果、6割の人は週に1回以上キャッシュレス決済を利用している事が分かった。現金主義者が多いとされてきた日本であるが、数年前に比べれば随分とキャッシュレス化が浸透してきたように見える。
しかしキャッシュレス決済利用者であっても、現金以外の支払いをためらった経験を持つ人が6割にも及ぶ。その理由として最も多いのはキャッシュレス決済利用の可否が分からないというものであった。現金をチャージして使う電子マネーなどの場合に残高不足を心配するケースや、少額利用だと店側に嫌がられるかもしれないとの懸念の声もある。
キャッシュレス決済をしようとしたらレジで断られた経験を実際に持つ人もいるだろう。今回のアンケートでは店選びに関しても調査を行っているが、キャッシュレス決済のできない店には次回以降の来店意欲が下がると答えた人が5割を超えていた。キャッシュレス決済不可である店に行くのを実際にやめた経験がある人も約4割となり、この点はキャッシュレス非対応の店にとって看過できない結果だろう。一方で少額支払いに関する不安のほとんどは消費者の杞憂であり、会計担当者の約8割は少額でもキャッシュレス決済を利用してほしいと考えている事が分かった。上手く使えば便利な側面が多いこともキャッシュレス決済の特徴である。消費者側も店側も、注目すべき社会の変化であると言えるだろう。(編集担当:久保田雄城)