中小企業の景況感は厳しい状況が続く 日本公庫調べ
2019年7月31日 16:43
日本政策金融公庫の発表によると、中小企業の売上や売上見通しは改善傾向にあるものの、黒字企業の割合が減少するなど厳しい状況が続いていることが分かった。
■売上DI・売上見通しDIともに2カ月連続で上昇
30日、日本政策金融公庫が7月の中小企業景況調査を発表した。7月の売上DI(動向指数:売上増加企業の割合-売上減少企業の割合)は-3.6で、前月の-5.7から2.1ポイント上昇し、2カ月連続の上昇となった。また、売上見通しDIは-4.4で、前月の-6.0から1.6ポイント上昇し、こちらも2カ月連続で上昇している。ただし、売上DI、売上見通しDIともに7カ月連続でマイナス圏が続いている。
■黒字企業の割合が減少傾向に
利益額DI(利益増加企業の割合-利益減少企業の割合)は-3.5で、前月の-1.9から1.6ポイント下落した。下落は2カ月ぶりながら、3カ月連続でマイナス圏が続いている。黒字企業の割合から赤字企業の割合を引いた数値は30.2で、前月の37.2から7.0ポイント減少した。直近では2013年2月の9.4から2018年6月の45.7まで上昇傾向が続いていたものの、その後は約1年に渡って減少傾向になっている。
■販売価格DI・仕入れ価格DIはともに3カ月連続で下落
販売価格DI(上昇企業の割合-低下企業の割合)は-0.9で、前月の1.5から2.4ポイント減少し、3カ月連続の減少となったとともに、2016年12月の-1.2から約3年半ぶりにマイナス圏となった。仕入れ価格DIは8.8で、前月の11.0から2.2ポイント減少し、こちらも3カ月連続の減少となっている。
■従業員状況DI・生産設備判断DIとも減少続く
従業員状況DI(不足企業の割合-過剰企業の割合)は15.5で、前月の19.0から3.5ポイント減少した。生産設備判断DIは0.3で、前月の1.0から0.7ポイント減少した。どちらも2018年末から下落傾向となっており、特に生産設備判断DIは2017年以来のマイナス圏に近づいている。
■資金繰りはやや改善も金融機関は厳しい状況
資金繰りDI(余裕企業の割合-窮屈企業の割合)は8.6で、前月の6.4から2.2ポイント上昇した。金融機関貸出態度DI(緩和の企業割合-厳しいの企業割合)は42.4で、前月の43.0から0.6ポイント低下した。(記事:県田勢・記事一覧を見る)