富士通、道路の監視カメラからAIが車両検知 交通状況監視のシステム開発

2019年7月27日 12:56

 富士通は26日、AIを活用した車両検知システム「FUJITSU Public Sector Solution AI検知システム」の提供を開始した。高速道路をはじめ道路上に設置された監視カメラにより撮影された画像を、AIが監視し、故障など異常が発生した車両を発見した場合、道路監視員に状況を通知する。異常を起こした車両の早期発見と迅速な初期対応を可能とし、停車車両が起因となる交通事故の低減につながることが期待される。

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 降雨や積雪などの天候状況、ぬかるみ、交通渋滞や事故などの道路状況が起因となり、故障などが発生して車両が停止してしまうことがある。停止車両への対応が遅れると、更なる渋滞、あるいは重大事故を引き起こすことがあるため、停止した車両を早期に発見して素早く対応することが、道路の安全確保において必要となる。

現在、日本全国の国道にはCCTVカメラが設置・網羅されており、これらのカメラがモニターに映し出す映像は、道路監視員が24時間体制で目視により監視している。異常を発見した場合は、緊急車両を出動させるなどの対応を行っているが、カメラの設置台数が増え、業務も複雑になった現在において、全てのカメラを道路監視員が監視するのは困難となっている。

 富士通が開発した「FUJITSU Public Sector Solution AI検知システム」は、昼夜や天候などの外部要因に左右されずに、AIが乗用車、バス、トラックなど、様々な車両を検知する。そしてAIに学習させた事象判定ロジックにより、故障などの異常を起こした車両を素早く発見し、道路監視員に状況を通知する。道路監視員はAIから通知されたアラームを受け取ることで、素早く初期対応を行うことができ、更なる交通事故を引き起こすといった重大事故を防ぐことが期待できる。

 富士通は、システム運用により蓄積したデータやノウハウを活用し、今後は監視業務など、AI検知システムの適用範囲の拡大を図っていきたいとしている。(記事:まなたけ・記事一覧を見る

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