8月の野菜値段は安定的 低温や日照不足で一部に生育遅れも 農水省発表
2019年7月27日 08:59
農林水産省の発表によると、7月の低温や日照不足などが原因で多くの野菜で生育不良となっているものの、値段は比較的安定していることが分かった。
■にんじん、ねぎ、ばれいしょ、さといもは平年並み
26日、農林水産省が野菜の生育状況と8月の価格見通しを発表した。7月時点において生育状況が平年並みとなっている野菜には、にんじん、ねぎ、ばれいしょ、さといもがある。さらにたまねぎは大玉傾向にあり、土物類の野菜が比較的堅調な生育状況となっている。
■きゅうり、なす、ピーマン、トマトが不調
その一方で7月の天候不順により、その他の野菜の生育が不調になっている。まず、根菜類のだいこんは概ね平年並みとしながらも、一部の産地で少雨による干ばつで不揃いになっている。
葉茎菜類の中では、はくさいとレタスは肥大が進み大玉傾向だったものの低温・長雨・日照不足により肥大が落ち着いているが、一部では傷みが発生している。同じ天候不良でキャベツは生育遅延に、ほうれんそうも軟弱傾向にある。果菜類のきゅうり、なす、ピーマン、トマトは低温や日照不足により生育遅延や着色遅延が起きている。
■たまねぎが安値、なすが高値
8月の価格見通しでは多くの野菜が平年並みとしている中で、たまねぎは8月を通して「安値水準で推移」と見込んでいる。「高値水準で推移」となっているのは8月前半のなすだけながら、「今後、天候が平年並みに推移すれば、生育の回復が見込まれる」として、8月後半は「平年並みに戻る」と見込んでいる。
■たまねぎの値段が前年比60~70%
東京都中央卸売市場における指定野菜の価格をみると、7月の上旬と中旬に高値で推移していたきゅうりとさといもの値段は落ち着きつつある。7月の中旬から下旬で高値になっているのは、なす、ピーマン、ばれいしょの3つ。反対にたまねぎは前年比60~70%と大きく値下がりしている。その他では、だいこん、キャベツ、ほうれんそうも比較的安値になっている。(記事:県田勢・記事一覧を見る)