ZMP、自動運転車両の新モデルに三井化学のバイオマスプラスチック原料採用
2019年7月23日 19:35
三井化学と三井化学SKCポリウレタンは23日、バイオマスプラスチック原料のバイオポリオール「エコニコール」が、ZMPが販売する自動運転車両の新モデル「Robocar Walk」に採用されたと発表した。
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プラスチック材料は、石油を原料として製造するため、使用後廃棄焼却されて二酸化炭素を放出し、地球温暖化を加速させる。一方、植物材料を原料としたプラスチックであるバイオマスプラスチックは、廃棄焼却時に排出される二酸化炭素が、その植物原料が生育時に吸収固定した二酸化炭素と相殺されるため、焼却処分しても大気中の二酸化炭素上昇を招かない。この特性がカーボンニュートラルと呼ばれている。
バイオマスプラスチックは、地球温暖化対策に貢献する材料として各方面で採用が進んでいるが、現在主流のバイオマスプラスチックは、トウモロコシやサトウキビを原料として製造されており、今後世界的に進む食料危機により、食材との競合が懸念されている。
エコニコールは、非可食植物である「ひま」を原料とし製造されるため、原料調達に食材との競合が起きない。ひまの種子から抽出したひまし油を化学合成して製造され、ポリウレタンの原料として使用される。製造は、世界最大のひま生産地であるインドで行われている。
自動運転、ロボット技術を開発するZMPでは、自動運転車両である「RoboCar」シリーズを発売しているが、人に共感されるデザインを目指して設計が進められている。そのため、材料も人や環境に優しいことが重要として、今回のエコニコールの採用に至った。
Robocar Walkのシートクッション用の材料にエコニコールを採用することで、一般のウレタンフォームと比較してライフサイクル二酸化炭素排出を27%削減するという。