各国政府機関が愛用のスマホ用スパイウェア、クラウドのデータも取得可能に
2019年7月21日 19:32
Financial Timesの記事によると、イスラエルのスパイウェア企業NSO Groupが同社のスマートフォン用スパイウェア「Pegasus」で端末内だけでなくクラウド上のデータも取得可能になったと顧客に説明しているそうだ(9to5Macの記事、Softpediaの記事、Mac Rumorsの記事)。 PegasusはNSO Groupのフラッグシップ製品で、ターゲットのスマートフォンからデータを収集するため、各国政府や諜報機関が何年にもわたって愛用しているという。5月にWhatsAppの脆弱性が公表された際、NSO Groupがスパイウェアをインストールするコードを作成したとFinancial Timesが報じていたが、そのスパイウェアがPegasusだった。 クラウド上のデータにアクセスする仕組みとしては、ターゲットのスマートフォンにインストールされたPegasusがiCloudやGoogle Driveなどの認証キーをコピーしてPegasusのサーバーへ送信する。これを使用することで、サーバー側では二要素認証の要求や警告メールの送信が行われることなく、クラウド上のデータを収集できるとのこと。 これについてAmazonやGoogleはユーザーのアカウントが不正にアクセスされた形跡はないと述べており、Microsoftは同社のテクノロジーが最良の保護を提供できるよう常に進化しているとし、デバイスを健康な(最新の)状態に保つようユーザーに促したという。一方、Appleは同社のOSは世界で最も安全なコンピューティングプラットフォームだと述べ、ターゲットを絞った攻撃を行なう高価なツールが存在するかもしれないが、幅広い消費者を対象とした攻撃には向いていないとFinancial Timesに回答したとのことだ。