DNP、柔らかい素材で安全に楽しめる「スマートフェンシング」を開発
2019年7月19日 18:41
大日本印刷(東京都新宿区、以下DNP)は、オリンピックなど国際大会での日本人選手の活躍でも注目を集めたフェンシングを、誰でも安全に楽しめるものとする「スマートフェンシング」を開発、7月からレンタルを開始した。
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スマートフェンシングで使う剣は、人に当たっても痛くないように柔らかな素材でできており、伝導性のあるジャケットを着て対戦。ジャケットに剣の先端が当たると、センサーが反応して点数が入る。競技のフェンシングは1対1で試合を行うが、スマートフェンシングの場合、複数人同士でも対戦できる。このほか、車いすに乗って対戦する「車いすフェンシング」の疑似体験も可能だ。
また競技では、剣と審判機はコードでつながっており、通電するごとに点数が加点される仕組みになっているが、今後はワイヤレス通信に対応する予定。ワイヤレスになると、スマートフォンやタブレット端末に点数を表示することも可能になるという。
日本ではかつてフェンシング競技はあまり知られていなかったが、2008年の北京五輪で太田雄貴氏が2位となり、日本人初のメダリストとなったことで一気に注目を集めた。しかし剣を使った競技のため、初心者が気軽に体験することが難しく、練習場所も少ないことから、国内の競技人口は6000人程度にとどまっている。
このため、DNPは子供や初心者でも安全にフェンシングを疑似体験できるようスマートフェンシングを開発。ツールや機材をレンタル(10万円から)し、日本フェンシング協会の主催イベントのほか、自治体や企業のスポーツイベントなどで利用されている。今後、競技の普及だけでなく、健康作りやエンターテイメントの分野での活用も図り、スマートフェンシングの普及を図る協会の設立も予定しているという。
同社は「フェンシングの普及には、手軽に体験でき、競技の楽しさを知ることのできるツールが必要。スマートフェンシングを通じて、フェンシング業界を含むスポーツ業界の発展に寄与していきたい」としている。