活気づく地方都市・福岡、九州初の「ザ・リッツ・カールトン ホテル」も誘致
2019年7月15日 19:37
今、日本で最も注目を集める都市・福岡市がまた、大きく生まれ変わろうとしている。福岡市は、大手企業の拠点が集中しており、日本全国の主要都市やアジア各国の主要都市を結ぶ福岡空港から、九州最大の繁華街である天神まで、地下鉄で約11分、JR博多駅までわずか5分という抜群の交通アクセスを誇るなど、アジアへのゲートウェイとしても注目を集めている。 2015年には人口の増加数と増加率で政令市中1位となった。若手経営者によるITベンチャーなどの起業も増えており、今後の発展も期待されている。
そんな福岡市で、現在進められているのが「天神ビッグバン」という一大プロジェクトだ。
「天神ビッグバン」は、福岡引いては九州経済の中心地ともいえる天神地区で、2024年までに30棟の民間ビルを、付加価値の高いビルへの建て替えなどへ誘導し、新たな空間と雇用を創出するとともに、 アジアの拠点都市としての役割・機能を高めようとするものだ。
「天神ビッグバン」の中でも再開発の中心となるのが、約17haの天神明治通り地区と約1.3haの 「旧大名小学校跡地活用事業」だ。とくに旧大名小学校跡地は、「天神ビッグバン」の西のゲートとして、都心部の機能強化と魅力づくりを図る上で重要な役割を担う場所といわれている。
そして先日、この旧大名小学校跡地事業に九州初となる、ラグジュアリーホテル「ザ・リッツ・カールトン ホテル」の誘致決定が発表され、大きな話題を呼んでいるのだ。
「旧大名小学校跡地活用事業」を推し進めるのは、積水ハウス株式会社〈1928〉、西日本鉄道株式会社〈9031〉、西部瓦斯株式会社〈9536〉、株式会社西日本新聞社、福岡商事株式会社の5 社が設立した「大名プロジェクト特定目的会社」で、2022 年12 月の竣工を目指して、2019年7月8日、「ザ・リッツ・カールトン ホテル福岡」を含む、オフィスなど複合ビルの工事に着手した。
同プロジェクトの目玉は、162室の客室すべてが広さ50㎡以上の贅沢な空間という「ザ・リッツ・カールトン ホテル福岡」だが、その他にも、ワンフロアの専有面積が2500 ㎡以上のハイグレードオフィスや、約3000 ㎡の広場、コワーキングスペースなどが計画されており、世界や地域との多様な交流拠点を目指す。
福岡市の高島宗一郎市長は「このプロジェクトは福岡市の都市ブランドを高め、ザ・リッツ・カールトンがあるから福岡に来ようという新しい層を福岡にお招きすることができる」と語った。積水ハウスの仲井嘉浩社長は「マリオット・インターナショナルとの長年のコラボレーションを通じて、ザ・リッツ・カールトン福岡は上質なおもてなしのレベルを向上させ、また、この素晴らしい街へのレジャーやビジネスを目的とした来訪者にとって有意義な旅のアクセントとなる」とコメント。マリオット・インターナショナルのアジア太平洋地区社長のクレイグ・スミス氏も「福岡は、日本にとって数世紀にわたり重要な港町として栄え、インバウンド旅行客数は年々増加しており、ザ・リッツ・カールトン福岡が快適なくつろぎの場となることを確信しております」と述べた。
「ザ・リッツ・カールトン ホテル」を展開するマリオットグループと積水ハウスはこれまでにも、「ザ・リッツ・カールトン京都」や、「道の駅」をハブにした「地域の魅力を渡り歩く旅」を提案する地方創生事業「Trip Base(トリップベース) 道の駅プロジェクト」などで、共同で事業を展開している。今回の天神ビッグバンでは再びタッグを組むことになるが、これまでの経験と実績を活かしたものとなることだろう。
地方創生が注目される中、今最も勢いと活気のある街である福岡が益々発展を遂げ、他の地方都市の活性化にもつながることを期待したい。(編集担当:今井慎太郎)