Android OS 10 Qリリース間近も、シェア上位は古いバージョン 問題は?

2019年7月5日 08:24

 次期Android OS「Android 10 Q」のベータ版が、3月14日(日本時間)に公開されて以降、毎月初旬に順次アップデートが配信されている。6月初旬にはアプリの最終版である「ベータ 4」までが公開されており、7月初旬には「ベータ 5」が公開される予定。ベータ版のアップデートは全6段階を予定しており、いよいよ開発も最終段階に差し掛かっている。大型アップデートは例年8月にリリースされることが多いため、Android OS 10 Qの正式版公開も同時期になると見られている。

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 「NetMarketShare」が公開しているOSシェアによると、2019年6月度のモバイルOSの世界シェアは、Android OSが約70%、iOSが約28%という結果に。日本では長らくiOSがモバイルOS市場の1位に君臨してきたが、2018年にはAndroidのシェアが逆転し、好調な勢いだ。

 原因はいろいろ考えられるが、やはりAppleのiPhone Xシリーズの高額路線が大きく影響していることは否めないだろう。MVNOの主製品であるSIMフリースマホのほとんどが、Android OSを搭載した製品というのもシェア増加の後押しをしている。

 一方で気になることも。Googleが開発者向けに提供している、Androi OSのプラットフォームバージョンによると、シェア1位は「Android 8.0/8.1」。2位に「Android 7.0/7.1」、そして3位には「Android 6.0」がランクイン。上位はいずれも古いOSバージョンがランクインしているのだ。Androidは新しいOSバージョンになるほどセキュリティが強化されている。

 反対に、あまりにも古すぎるOSバージョンは重大な脆弱性があり、不正アクセスやウイルス感染の被害を受けやすくなる。GoogleのNexusやPixelといった一部のスマホ機種は、セキュリティパッチが定期的に配信されているためセキュリティは手厚い。しかしほとんどのAndroidスマホはそうではない。OSやセキュリティパッチの配信の有無はメーカーやキャリアの裁量に任されてきたため、セキュリティパッチの配信が最新OSのリリースまで待たされるケースも少なくない。

 そんな現状を打破するため、昨年10月、GoogleはOSのアップデートに対する新しいポリシーを発表。最低2年間のOSアップデート、発売1年目は年4回のセキュリティパッチが必須とされた。対象となるのは、2018年1月31日以降に発売され10万人以上にアクティベートされた機種か、2019年1月31日以降に発売された機種。

 このポリシーによって、シェアが伸び悩むAndroid OS 9.0、そしてまもなくリリースされるAndroid 10 Qのシェアは増加していくだろう。安全な環境でスマホを利用できるのは、ユーザーにとっても大いに歓迎すべきことだ。(記事:森野沙織・記事一覧を見る

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