-150度以下の低温輸送システム開発、再生医療向けに トッパンフォームスと岩谷産業

2019年7月3日 21:23

 トッパンフォームスと岩谷産業は3日、再生医療分野で利用可能な、マイナス150度以下の低温輸送温度管理システムの提供を開始したと発表した。温度管理システムは、厚生労働省が2018年12月に公表した、医薬品の流通過程における国際品質管理基準:GDPガイドラインを遵守したものとなっている。

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 近年医薬品分野のパラダイムシフトが起きている。かつては、化学合成された低分子化合物が医薬品の主流であったが、免疫機能を担う抗体などの生体内物質を医薬品とする抗体医薬品等が開発され、さらに近年では、iPS細胞などの生体細胞を用いた再生医療に進もうとしている。

 医薬品が化学物質から生体内物質、生体細胞へと進化するにつれて、医薬品輸送では、低温で厳密に温度管理するシステムが必要になってきた。そのため、厚労省が公表する医薬品の適正流通のためのガイドラインにも、再生医療に対応した管理基準が規定されるに至っている。

 今回開発されたシステムは、生体細胞や医薬品を液化窒素でマイナス150度以下に保つ「ドライシッパー(細胞輸送容器)」と、温度を連続計測するロガー「オントレイシスタグマイナス196度」、温度管理プラットフォーム「オントレイシスクラウド」で構成される。液化窒素は岩谷産業より提供され、温度ロガー、温度管理プラットフォームは、トッパンフォームスが開発した。

 温度ロガーは、液化窒素の沸点であるマイナス196度まで計測可能で、ドライシッパーに入れた液化窒素内の医薬品の温度と、外気温の2点を連続計測する。計測された温度ログは、温度管理プラットフォームのスマートフォンで位置データとともにサーバーに自動送信される。

 クライアント側のPCでは、輸送状態のリアルタイム監視だけでなく、ログデータの保存、管理が行うことができ、再生医療用生体細胞であっても、適正温度管理して輸送供給することが可能だ。

 本システムは、7月3日から5日まで東京ビッグサイトで開催されている第1回再生医療産業化展の岩谷産業ブースで紹介されている。

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