トヨタ、国内販売チャネル統合 全車種併売5年前倒で2020年春に実施

2019年6月25日 08:39

 トヨタ自動車は、昨年11月にブランドモデル販売店戦略として、より地域に根差した新たなモビリティサービスを提供することができる販売ネットワークの変革に取りくむと公表致していた。

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 具体的には、現在4つの販売系列に分かれている商品販売体制について、全店での全車種併売を2020年春に前倒しするという。これまでトヨタ車は、「トヨタ店」や「カローラ店」など系列の客層にあわせて専用車を用意してきたが、すべての販売店ですべてのトヨタ車を取り扱う方向で戦略を練り直す。昨年の発表では2025年に実施するとしていた併売時期を最大で5年早める。国内で販売する車種を全国の店で共通化する背景には、国内新車販売市場の成長の鈍化がある。トヨタの国内販売台数はピークだった1990年に比べ4割減り、少子高齢化など国内の新車市場の成長が期待できない状況下、全店で全車種を取り扱う時期を早めて顧客の利便性を高める。

 トヨタは世の中の変革スピード、CASE(コネクティッド、自動化、シェアリング、電動化)の進展による市場や時代の変化が加速する中で、国内6000店舗の最大活用とネットワークの変革を一層スピードアップする。今年4月には販売改革を先行して東京都内の直営販売会社4社を統合し、店舗ブランドや車種を統一した。「併売効果が出て、売り上げは伸びている」という。

 その結果を踏まえたうえで、全国どの店舗でも、クルマや移動に関するあらゆるサービスを提供することで、ユーザーニーズに寄り添うサービスの早期実現を目指すという。具体的な計画は、今後さらに販売店各社とも相談のうえ進めていく。

 また、ユーザーの利便性をさらに高める観点から、シェアリング事業については、車両販売店だけでなくレンタリース店にも適用拡大し、垣根を越えた利活用サービスのさらなる拡大を推進する。トヨタは、クルマとの新しい関係を提案するクルマの定額提供サービス「KINTO」を2019年初めに開始すると発表。こうした取り組みを通じて、未来のモビリティ社会をより豊かなものにするため、トヨタは「モビリティカンパニー」に向けた変革を加速させるとしている。(編集担当:吉田恒)

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