野村、スシローGHD、国際帝石など/本日の注目個別銘柄
2019年6月19日 15:59
<8604> 野村 377.5 +36.0急反発。前日発表の高水準の自社株買いなどが好感された。発行済み株式数の8.6%に当たる3億株、1500億円を上限としており、取得期間は6月19日から20年3月31日としている。当面の需給の下支えになるとの見方に。野村総合研究所<4307>の自己株TOBに応募、1600億円の売却収入が自社株買いの原資になる。持分法適用会社の売却は、事業の選択と集中、構造改革の進展としてもポジティブ視される。
<6740> JDI 61 +6大幅高。米アップルが同社の支援に意欲と、海外紙で伝わった。支援を検討していた台中連合1社の撤退発表などで、あらためて先行きへの懸念が強まっていた中、ポジティブなインパクトにつながった。一部債権の放棄、最高200億円の注入、2年間の発注保証などといった要求を検討する姿勢を示しているもよう。同社売上高の過半を占める企業の支援が得られれば、支援に追随する企業や投資家の増加も見込まれるとの見方も。
<6584> 三桜工 482 +80ストップ高。米スタートアップと次世代電池「全固体電池」を共同開発、年内にも試作品の検証に入っていくと報じられた。全固体電池はリチウムイオン電池の2倍以上の容量があり、充電時間も大幅に短縮が可能。トヨタ<7203>が実用化に向けた取り組みを積極化するなど、EV向け電池の将来的な本命とも期待されている。もともと関連銘柄として位置づけられていたが、実用化に向けた前進と捉えられ、期待感が高まる展開に。
<3563> スシローGHD 6850 -790急落。同業の元気寿司<9828>との資本業務提携を解消、経営統合に向けた協議も白紙に戻すと発表。国内市場における将来的なブランド戦略の違い、海外市場における店舗展開方式の違いなどが明確となり、それぞれの戦略を独自に推進することが両社の企業価値向上に最適と判断したもよう。これに伴い、元気寿司の親会社である神明HDが保有する同社株式660万株を売出するとしており、需給面への影響が警戒される形に。
<3034> クオールHD 1661 +191急騰。前日に発表した自己株式の取得実施が好感されている。発行済み株式数の3.08%に当たる120万株、15億円を取得上限としており、取得期間は6月19日から9月20日までとなっている。当面の需給インパクトも期待される形に。同社の自社株買いは、17年1月に立会外取引で115万株を取得して以来となる。
<6723> ルネサス 517 +39急伸。米国半導体関連株の上昇につれ高する格好になっている。前日の米SOX指数は4.3%の上昇、エヌビディアやマイクロンなどが大幅高となっている。トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が電話会談を行い、G20サミットに合わせて首脳会談を実施することを発表している。交渉合意への期待感なども述べており、貿易摩擦長期化による半導体業界の過度な業績悪化懸念が後退する形になっている。
<1605> 国際帝石 958.1 +51.1急伸。米中貿易交渉合意に向けた動きからリスクオンの流れとなっており、前日のNY原油相場も大きく上昇、米国ではエネルギー関連も買われており、原油高メリット銘柄の同社にも資金が向かう格好となっている。また、自社で排出する二酸化炭素を都市ガスの原料として再利用する事業を始めるとも報じられており、環境対応の展開力なども評価する動きに。
<4307> NRI 5390 +200反発。上限1600億円の自社株買いを発表、大株主の野村HD<8604>の保有株式売却意向に沿った形。TOB価格は1570円で前日終値から9%超ディスカウントでインパクトは少ないが、ROEや一株当たりの価値向上期待が評価材料に。野村HDの保有比率は36.59%から23.07%に低下するが、ビジネス面への影響はないとみられるほか、自社株買いに伴うエクイティファイナンス実施の可能性なども低いとも。
<1802> 大林組 1052 +27大幅反発。UBS証券では投資判断を「ニュートラル」から「バイ」に格上げ、目標株価も1150円から1200円に引き上げている。バリュエーションは大手ゼネコン4社の中で最も割安であるほか、大阪万博関連の工事は大阪での豊富な施工実績から有利な受注機会があるとしている。在京3社のゼネコンとは違い、今後しばらく高水準の受注が期待できるとみているもよう。
<3205> ダイドー 286 -17大幅安、昨年12月以来の300円割れとなっている。前日に発表した株主優待制度の変更がネガティブ視されている。3月末と9月末の株主にはECサイトの割引券を新たに贈呈することで、500株以上の株主には優待拡充となる。ただ、これまで100株以上の株主に贈呈していた3600円相当の取扱商品が500株以上の株主に変更されており、500株未満の株主にとっては、優待は年2回の買い物割引券のみとなる。《US》