4月の小売業販売額、前年比0.5%増 基調判断は4カ月連続「一進一退」

2019年6月3日 09:18

 経済産業省が5月31日に発表した「商業動態統計(速報)」によると、4月の小売販売額は前年同月比0.5%増の12兆540億円となり、18カ月連続で前年越えとなった。季節調整済指数前月比は0.0%の横ばいで、基調判断は4カ月連続「一進一退」に据え置かれた。

【前月は】3月の小売業販売額は前年比1.0%増、機械器具が好調 基調判断は据え置き

 販売額を業種別にみると、前年同月比プラスとなったのは「医薬品・化粧品小売業」(前年同月比5.8%増)、「燃料小売業」(同3.4%増)、「無店舗小売業」(同2.5%増)、「機械器具小売業」(同2.2%増)、「飲食料品小売業」(同1.7%増)だった。

 医薬品・化粧品の伸び率が目立っているが、ゴールデンウィークの10連休前に医薬品を買っておこうとする傾向が広まったことが影響した。一方で前年同月比マイナスとなったのは、「各種商品小売業」(同3.4%減)、「その他小売業」(同2.7%減)、「自動車小売業」(同1.4%減)、「織物・衣服・身の回り品小売業」(同0.2%減)だった。

 業態別の販売額では、「百貨店」が同2.2%減の4,894億円(既存店ベースでは同1.5%減)、「スーパー」は同1.0%減の1兆457億円(既存店ベースでは1.9%減)、「コンビニエンスストア」は同2.6%増の9,977億円、「家電大型専門店」は同0.6%増の3,354億円、「ドラッグストア」が同3.3%増の5,475億円、「ホームセンター」が同3.4%減の2,872億円だった。

 コンビニエンスストアは「サービス売上高」が前年同月比7.8%増、「非食品」が同5.0%増と前年実績を大きく上回った。家電大型専門店は、「通信家電」(同3.6%減)と「カメラ類」(同4.5%増)が売り上げを減らしたが、主力商品の「生活家電」(同1.7%増)が好調で、前年越えとなった。ドラッグストアでは、ゴールデンウィーク前の駆け込み需要の影響もあり、「調剤医薬品」が同13.8%増と大幅に販売額を増やし、「食品」も同6.2%増と好調だった。

 一方百貨店は、飲食料品は同0.5%増と前年実績を上回ったものの、主力商品である「衣料品」が同4.6%減と不調となり、全体で前年比マイナスとなった。スーパーは「飲食料品」が同0.7%増となったものの、「衣料品」が同8.2%減となったこと等が影響して前年実績を下回った。ホームセンターは全体的に前年よりも不調だったが、「園芸・エクステリア」(同9.4%減)、「インテリア」(同7.9%減)等が特に売り上げを落とした。(記事:荒川・記事一覧を見る

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