マーケットエンタープライズは15年高値目指す、19年6月期は2回目の上方修正で大幅増収増益予想
2019年5月30日 09:12
マーケットエンタープライズ<3135>(東マ)はネット型リユース事業を展開し、中期成長に向けて事業ドメイン拡大戦略を推進している。19年6月期は2回目の上方修正で大幅増収増益予想としている。これを好感して株価は急伸している。目先的には過熱感だが、自律調整を交えながら15年7月の上場来高値を目指す展開を期待したい。
■ネット型リユース事業を展開
インターネットに特化してリユース(再利用)品を買取・販売するネット型リユース事業を展開している。コンタクトセンターからリユースセンターまで一気通貫のオペレーションシステムを特徴とし、マルチチャネル対応で全国的な仕入・販売網を構築している。
買取総合窓口サイト「高く売れるドットコム」をフラッグシップサイトとして、複数の自社運営WEB買取サイトを通じて一般消費者や法人からリユース品を仕入れ、全国のリユースセンターで在庫を一括管理する。そしてヤフオク、楽天市場、Amazon、Ebayなど、複数の主要Eマーケットプレイスに出店した自社運営サイトで、一般消費者や法人向けに販売する。販売サイトのサービスブランドは「ReRe(リリ)」に統一した。
■中期成長に向けて事業ドメイン拡大戦略を推進
中期経営目標として3~5年の間に売上高100億円、営業利益10億円の達成を目指すとしている。収益基盤強化を目指し、事業拠点拡大の水平展開、取扱商品拡大の垂直展開、そして新サービス構築による事業ドメイン拡大戦略を推進する。
水平展開では仕入基盤拡充に向けて、全国主要都市への新規リユースセンターの開設(17年9月西東京、18年1月札幌を開設して合計10カ所)を推進している。
垂直展開ではM&Aやアライアンスも活用して取扱商品カテゴリー拡大を推進している。17年2月中古農機具・農業機械、18年2月中古建機・重機、18年4月中古医療機器分野に参入し、18年9月には中古スマホ相場検索サービスを開始した。
新サービスによる事業ドメイン拡大戦略では、16年8月光通信<9435>と合弁でMVNO(仮想移動体通信事業者)のMEモバイルを設立、17年3月宅配レンタルサービスを開始、18年1月民泊物件サイト運営のスペースエージェントと出資・事業提携に関する契約を締結、19年1月アウトレットジャパンからアウトレットモール情報メディア「OUTLET JAPAN」事業を譲り受けた。19年2月にはプロトコーポレーション<4298>からリユース総合情報サイト運営の「おいくら事業」を承継した。
■引越しシーズンの第4四半期(4月~6月)の構成比が高い収益構造
収益面の特性としては、転居に伴う商品の買い替えや新規購入などのニーズが高まり、買取依頼・販売が集中する春季の引越しシーズンにあたる第4四半期(4月~6月)の構成比が高くなる一方で、第1四半期(7月~9月)は売上高が減少して営業損益が低水準となりやすい傾向がある。
■19年6月期は2回目の上方修正で大幅増収増益予想
19年6月期連結業績予想(2月14日に上方修正、5月15日に2回目の上方修正)は、売上高が18年6月期比31.1%増の83億円、営業利益が4.0倍の3億85百万円、経常利益が4.1倍の3億87百万円、純利益が5.6倍の1億90百万円としている。
第3四半期累計は、売上高が前年同期比34.7%増の59億99百万円、営業利益が2億85百万円(前年同期は26百万円)、経常利益が2億83百万円(同15百万円)、純利益が1億35百万円(同4百万円の赤字)だった。
前期開設した2拠点(西東京、札幌)による買取商圏拡大も寄与して既存のネット型リユース事業が伸長し、農機具や医療機器など専門性の高い商品分野への展開、オウンドメディアの収益化、子会社EMモバイルの通信サービスの伸長など新規分野も拡大した。増収効果で営業損益が大幅改善した。そして通期も大幅増収増益予想である。好業績を期待したい。
■株価は15年高値目指す
株価は2回目の上方修正も好感して急伸している。目先的には過熱感だが、自律調整を交えながら15年7月の上場来高値2825円を目指す展開を期待したい。5月29日の終値は2081円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS35円27銭で算出)は約59倍、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS185円47銭で算出)は約11倍、時価総額は約106億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)