怪しい副業に気をつけろ! (2)「情報商材」
2019年5月19日 17:30
今回は、怪しい副業として認知されつつある「情報商材」について紹介する。情報商材とは、主にネットを介して売買される情報(ノウハウ)のことを指し、その情報自体を売ることでビジネスにつなげる。多くの場合は、「○○万円稼ぐ方法」等、売る者が稼いできたノウハウをそのまま提供するものとなる。手軽に稼げるという点にひかれて、副業として検討する人もいるだろう。しかしその内容は、詐欺まがいのものもあり、問題点が多く指摘されている。
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■問題点その1「再現性が低い(無い)ものが多い」
「私が月収100万円になるためにやった○○の方法」のように読者を煽った商材が多いが、実際にその内容には、ほとんど再現性が無いものが多数ある。その人の学歴や経験、ライティングスキルや批判中傷に負けないメンタルなどがあって初めて成り立つものもあれば、そもそもその情報を売っている当人が本当は稼げていないことも多い。別の手法で稼いだ結果を利用していたり、元からある知名度だけで売っていたりすることもあるのだ。
■問題点その2「『年商○○万円』の内訳」
上でも指摘したように、情報商材で販売している内容以外で稼いだ金額を、PR材料となる「年商」の中に組み込んでいるケースがある。例えば、ブログやアフィリエイト等で稼ぐノウハウを提供しておきながら、実体の無いスポンサーやファンからのお布施に近いもの(クラウドファンディングサービスやオンラインサロンの会費など)を年商に組み込み、多く見せていることもある。
またこの、「実体の無いスポンサー」というものが最も厄介な代物である。仲間内でスポンサーをそれぞれに出し合うことで、形式的には年商を増やし、実質的には支出も利益もゼロという状態を作ることができる。AさんがBさんに10万円をスポンサー代として提供し、BさんがCさんに同額を、CさんがAさんに同額を提供すれば、全員がスポンサーで10万円の売り上げを得たことになる。
■「情報」や「煽り文句」に騙されないことが、「情報商材」への一番の対策
副業を始めたいと思っている人は、しっかり稼ぎたいと思う人がほとんどだろう。そんな思いに漬け込んでくるのが、こうした「情報商材」のビジネスである。お金を稼ぐというのは、何かしらの価値を生み出して初めて成り立つものだ。読者には、「そのビジネスがどのようにして『価値』を生み出しているのか」をよく考えた上で、様々な副業を試していくことをおすすめする。(記事:後藤遼太・記事一覧を見る)