上司と部下の意識の違いをAIが解決 「KAKEAI」β版リリース
2019年5月14日 18:41
科学とテクノロジーにより、現代における属人的な人事管理に変革をもたらそうと2018年に誕生したKAKEAI(東京都港区)は13日、中間管理職と部下の「掛け違い」を無くすAIクラウドシステム「KAKEAI」(カケアイ)のオープンβ版をリリースした。
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従来上司は、自分の経験や勘という個人力で部下と関わっていたが、世代による価値観の違いなどにより、上司がよかれと思った行動も部下には逆効果になることも。部下の常識が上司には非常識だったり、言葉の認識違いによるギャップでわだかまりがうまれたりなどの上司と部下の「掛け違い」は、いつの時代にも存在する問題だ。
まして最近は、働き方改革やハラスメントの厳格化などにより、特に中間管理職にとっては、マネジメントそのものの難度が上がっている。こうした非生産的な状況を、科学とテクノロジーで解決するのがKAKEAIだ。
KAKEAIの主な機能としては、脳科学の視点で開発したシステムにより、メンバーがどんな時にストレスを感じるか、どんな気持ちの時に力を発揮するかなどを可視化。これにより、メンバーごとのマネージメント方法がわかる。
また各メンバーが陥っている状況やメンバーの特性など、一人ひとりの現状と特性をタイムリーに捉え、その対応方法をマネージャーにレコメンド。さらに全マネージャーのナレッジを共有し合える状態の創出や、蓄積される現場の実態データを可視化し、組織全体で支援できる状態を創る。こうした機能により、科学的にリテンションや組織パフォーマンスの最大化を可能にするという。
開発にあたっては、HRテクノロジーの第一人者である慶應義塾大学大学院の岩本隆特任教授を共同研究者として迎え、脳神経科学の顧問として、岩手医科大学薬学部神経科学分野の駒野宏人教授を、また、AIトランスフォーメーション・データサイエンスのアドバイザーとして、ニューヨーク大学のWilliam Laurent氏の協力を得ている。
KAKEAIは、今回のβ版リリースを経て、今年の夏から秋に製品版のリリースを予定している。それまでは、数量限定ながら無料でβ版を提供し、終了後も継続して利用する場合は特別価格で提供するとしている。また全く新しい手段であるため、その効果を確認しながら自社でも改善を図るべく、β版システムの提供だけではなく人的サポートも行い、導入企業と協働で課題解決に取り組みたいとしている。