年内米利下げの可能性消えず?

2019年5月2日 15:55


*15:55JST 年内米利下げの可能性消えず?
 米連邦公開市場委員会(FOMC)は4月30−5月1日開催の会合で政策金利(フェデラルファンド/FF金利の誘導目標水準)を現行の2.25−2.50%のレンジで据え置くことを決定した。金利据え置きは予想通りだったが、実効FF金利を誘導目標レンジ内にとどめるためにFOMCは、超過準備の付利(IOER)を従来の2.4%から2.35%に引き下げたことから10年債利回りは一時2.454%近辺まで低下する場面があった。

 しかしながら、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は会見で、「米国のインフレは一過性の要因で抑制されている可能性がある」、「政策スタンスは現時点で適切であり、いずれの方向にも動く強い論拠は見られない」との見方を示したことから、早期利下げ観測は後退した。市場関係者の間からは「FRBは利下げを急いでいないものの、インフレ進行の可能性は大幅に低下しており、年内利下げの可能性は消えていない」との声が聞かれている。足元の雇用情勢は良好だが、企業景況感は良化していないため、リスク選好的なドル買いが大きく広がる可能性は低いとみられる。《MK》

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