マツキヨHDとココカラファイン、資本業務提携の協議入り
2019年4月30日 21:05
ドラッグストア大手のマツモトキヨシホールディングス(HD)とココカラファインは、資本業務提携に向けた本格的な協議に入った。資本業務提携の可否は9月末までに判断することにしているが、実現すれば店舗数、売上高とも国内業界最大の企業連合が誕生する。業界は市場の飽和感から販売競争が激化しているだけに、協議の行方に注目が集まっている。
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協議は両社で設立する「資本業務提携準備委員会」の下、業務提携の具体的な提携内容を企画立案したうえ、検討を進める。商品の調達や配送での協力、プライベートブランドの共同開発などを視野に入れているほか、ドラッグストアと調剤薬局のシナジー効果も追求するとしている。資本提携については相互に株式を保有し合う方向で検討する。経営統合や合併は検討しない。両社は9月末までの合意と最終契約を目指している。
マツキヨHDは全国に1,654店の販売店網を持ち、2018年3月期で5,588億円の売上高がある。売上高は業界4位に位置している。一方ココカラファインは、全国1,354店。2018年3月期で3,909億円の売上高があり、業界7位になっている。
両社が資本業務提携を結べば、単純計算で売上高が9,497億円に達し、業界トップのウエルシアHDの7,791億円を上回り、業界最大の企業連合になる。店舗数の3,008店もツルハHDの約2,000店を超え、業界最多に躍り出る。
マツキヨHDとココカラファインはともに、首都圏の都市型店舗を主力としている。販売品目では医薬品と化粧品に強いのが特徴で、一部商圏が重複する店舗もあるものの、立地上補完関係になることができる店舗網があるとして提携の検討を進めている。
ドラッグストア業界は食品や飲料品も手掛け、このところ急速な成長を続けてきた。しかし国内の総店舗数が2万店を超えるうえ、スーパーやコンビニエンスストアなどとの販売競争も激化する一方で、市場の飽和感が指摘されるようになってきた。(記事:高田泰・記事一覧を見る)