ただの省エネ性能だけではもう時代遅れ? 令和元年に発売される仰天住宅
2019年4月28日 22:12
桜の季節が過ぎ、日ごとに暖かさが増してくると、目や耳にする機会が多くなるのが「省エネ」の3文字だ。気象庁の発表では、昨年秋から続いているエルニーニョ現象の影響で、今年の夏は例年よりも気温が穏やかになるとの見通しを立てているが、安心はできない。一方で、異常気象も多くなると予測されており、大雨や集中豪雨も多発するのではと見られている。気温自体は低くても、じめじめと湿気の多い嫌な夏になる可能性は高い。
そんな中、ゴールデンウィークで書き入れ時を迎える住宅業界では、省エネ性能に優れた住宅への関心が高まっているようだ。
住宅の新築や購入を考えている人にとって、省エネ性能は家計に直結する重要事項だ。とはいえ、最近の住宅においては、太陽光発電システムや高い断熱性能を有する商品は当たり前になっている。素人目には、どの住宅メーカーの住宅も、省エネ性能に関しては大差がないようにも思えてしまうのではないだろうか。
しかも、 今年2019年は、10 年前に始まった住宅用固定価格買取制度(FIT制度)が終了する年。さらには買取価格もここ数年、低下の一途をたどっているのが現状だ。今さら、太陽光発電システムに大きな魅力を感じるという人は少ないだろう。
そこで今、注目したいのが家庭用の「蓄電池」だ。蓄電池を太陽光発電システムやエネファーム などの燃料電池と組み合わせれば、エネルギーの自給自足も夢ではない。家庭での電気代がゼロになれば、たとえ買取ってもらえなくても、家計は大助かりだ。また、異常気象や天災、事故などがもたらす停電の際にも、いつもと同じように快適で安心な生活をおくることができる。
ところが、問題なのはその価格だ。蓄電池の現在価格は1kWhあたり20 万円前後。例えば400W程度の家電製品を12時間稼働させようとすれば、6kWh程度の蓄電池が必要とされている。一般的な家庭でしようする場合、もちろんそのライフスタイルにもよるが、日常でも非常時でも安心して蓄電池を活用しようと思えば、最低でも10kWh以上のものが欲しい。そうなると、少なく見積もっても200万円以上もの出費になる。蓄電池の魅力は理解していても、普及が遅れている原因はここにあるだろう。
そんな中、木造注文住宅を手がける株式会社アキュラホームグループがユニークな商品を売り出す。同社は、中堅ビルダーでありながら大手にも引けを取らない商品開発力で、とくに太陽光発電システムの活用を積極的に推進してきたことでも知られているが、令和元年の5月1日に発売を開始する未来型住宅「ミライの家・Rei」では、先に挙げた課題を一気に解消するべく、電気自動車の標準装備により低地型電池の約800 万円相当、40kWhもの大容量蓄電池に相当する。
しかも、「ミライの家・Rei」は政府が推進するZEH+の省エネ性能基準を満たしている上、通常なら数百万円かかると言われる全館空調システムを従来の約半額の初期費用で搭載。さらに特筆すべきは、この住宅が前代未聞の「電気自動車付き住宅」ということだ。同社では、太陽光発電システムと様々な省エネ性能、そしてV2Hによって実現する「全館冷暖房費ゼロ」「光熱費ゼロ」に加え、「自動車燃料費ゼロ」のトリプルゼロを「新しい時代の住宅」として提案するため、日産自動車の「リーフ」をセット(リーフの価格には保険料、税金(消費税除く)登録などに伴う諸経費、リサイクル量などは含まれない)にして2500 万円(税抜)で販売する。
何とも思い切った住宅商品だが、もしかするとこの住宅が蓄電池普及のカンフル剤になり、文字通り、日本の住宅の未来を変えてくれるかもしれない。(編集担当:藤原伊織)