日本酒ベンチャーWAKAZE、パリに酒造開設へ クラウドファンディングも

2019年4月24日 18:26

 「日本酒を世界酒に」をビジョンとするベンチャーのWAKAZE(山形県鶴岡市)は、世界進出プロジェクトの第1弾として、2019年9月にフランスのパリに酒造を開設する。その場で搾りたての日本酒を楽しめるテイスティングスペースを併設し、仏料理と日本酒とのマリアージュを通じて、世界の食文化の中心地フランスから、日本酒の世界発信を目指す。

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 WAKAZEは、日本酒をワイン同様に世界に根付いた世界酒にするために、代表の稲川琢磨氏が2016年に立ち上げたベンチャー。主要ブランドであるワイン樽熟成の日本酒「ORBIA(オルビア)」と、和が薫るボタニカルSAKE「FONIA(フォニア)」を、「いまでや銀座」をはじめ、全国100を超える酒販店で販売している。昨年7月には、三軒茶屋で自社のどぶろく醸造所と併設飲食店の「Whim SAKE & TAPAS」を開業。そもそも洋食に合う日本酒を開発していたが、店ではクリームチーズや肉料理などとのペアリングを意識した料理を提供している。

 日本では、法定最低製造量の障壁が高いことなどもあり、国内での清酒製造免許の取得が容易ではなく、日本酒の製造・販売が伸び悩んでいる。このためWAKAZEは、日本よりも製造免許を取得しやすく、世界の食文化の中心であり、その影響力も大きいフランスを、世界進出プロジェクト第1弾の場所として選んだ。

 広さ450平方メートルの1軒屋に構える酒造は、パリ広域内のVAL-DE-MARNE(ヴァルドュマルネ)エリアに位置する。「土地性を活かした酒造り」を重視しているため、米や水などの原料はなるべく現地で調達し、多種多様な樽を利用した熟成法や、ワイン酵母を使用した日本酒の醸造にも挑戦する。

 この酒造オープンを控えてWAKAZEでは、パリに子会社を設立し、クラウドファンディングによる資金調達も開始している。

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