バイトテロの原因は? 「教育が不十分」「社員不在の店舗運営」

2019年4月22日 09:30

 バイトテロが後を絶たない。バイトテロとはアルバイトなどの非正規従業員が勤務先の商品や設備を使用して悪ふざけを行い、その様子をSNSなどに投稿して公開する行為だ。当然、その事業所は厳しい社会的な批判を受け、多額の損失をこうむるだけでなく、中には閉店や倒産に至ったケースもある。すでに社会的に大きく取り上げられているテーマであるが、2019年に入ってからも既に複数のバイトテロが報告されており、未だ企業の危機管理としても大きな課題の一つである。

 飲食系人材サービスのクックビズが全国の飲食店関係者179名を有効サンプルとして「バイトテロ(バカッター)についての調査」を3月に実施、その集計結果を3日に公表している。

 集計結果によれば、「バイトテロについて知っているか」という質問に対しては67%が「詳しく知っている」と回答しており、「名前だけ知っている」が28%で、両者を合わせると95%となり、ほとんどの飲食店関係者はバイトテロを認知しているようだ。「バイトテロの経験の有無」については、「経験なし」が87.1%で、「自店もしくは知人の店舗で経験あり」が12.9%となっている。

 「自身の店舗でのバイトテロ発生を心配しているか」との問いには、「非常に心配している」、「心配している」の合計が54.8%と半数以上で、「どちらとも言えない」27.4%、「心配していない」17.8%であった。「何か対策をとっているか」という質問に対しては、「とっている」が48.6%、「とっていない」が51.4%と対策をとっているのは半数に満たない。

 「バイトテロが起こる原因は何か」について複数回答で答えてもらった結果では、「コンプライアンスなどのアルバイト教育が不十分なため」が58.1%と「社員管理者が不在(アルバイトのみの店舗運営)なため」の52%が半数以上で、この2つに回答が集中しており、教育制度の不十分さと飲食業界の人材不足も背景にあると窺える結果となった。

 実施している対策の具体的な内容を尋ねたところ、「誓約書の記入」、「コンプライアンス研修の強化」、「スマートフォンの使用制限」、「防犯カメラの設置」、「社内での啓蒙活動」、「アルバイトのみの時間を作らない」の6つに集中している。バイトテロを危惧しながらも人手不足のために十分な対応が難しい飲食業界の状況もうかがえる。(編集担当:久保田雄城)

関連記事

最新記事