副業でのトラブル リスクマネジメントと”約束事”
2019年4月19日 17:02
どんなことにも、トラブルは付き物だ。そしてそれは、副業も例外ではない。
【こちらも】副業を始めるには会社の許可が必要? 隠れて行いバレるとどうなるか
副業する個人が、抱えるであろうトラブルもリスクの一つだ。だがそのトラブルが、本業で勤務する企業にまで及ぶとなれば、さらに話は複雑になる。
リスクを低下させ、トラブルの回避と備えが必要だ。副業する個人、副業する社員を雇用する企業、それぞれにできることとは何だろうか。
■副業する個人はトラブルへの備えを
副業のポジティブな面にスポットが当てられがちだが、”仕事”であることに変わりはない。副業先での人間関係でストレスを抱えたり、報酬未払いなどのトラブルも起こりうる。
インターネット上のやり取りが増えれば、顔の見えない相手とのコミュニケーションとなるのだ。メッセージでのやり取りだけで、「信用できるか」を判断しなければならない。ビデオ通話もあるが、匿名性は犠牲になる。
契約形態と報酬について、事前に詳細を確認して相談すべきだ。少額訴訟などの大きな問題に発展する前に、未然に防ぐ準備は欠かせない。
■企業は”約束事”を作るべき
従業員が、本業の実績(ポートフォリオ)を使って副業することもあるだろう。問題なのは、トラブルが起きた場合だ。本業で雇用する、企業の悪評にも繋がりかねない。
また同業での副業には、情報流出や著作権問題も絡んでくる。トラブルを未然に防ぐには、従業員との間に”約束事”を作ることが必要だ。
具体的には、秘密保持義務や競業避止義務を徹底して遵守させることだ。意図はなくとも、機密や情報漏洩のリスクは否定できない。顧客データベースへのアクセス権限などがあれば、そのリスクはさらに高まるだろう。
そして企業には安全配慮義務もある。従業員の健康管理への対応を行い、ワークライフバランスを適切に保たなければならない。
個人の裁量に委ねるべき面もあるだろう。しかし企業が負っているのは、従業員への責任だけでなく、顧客への責任もある。顧客への不利益や損害を未然に防ぐためにも、その防止措置の備えは必須だ。
リスクマネジメントを行うことにより、個人も企業も副業をより有効に活用することができる。(記事:西島武・記事一覧を見る)