プレミアムフライデー、消費「変わらない」73% 制度廃止企業が増加
2019年4月19日 12:01
プレミアムフライデーは2017年に政府が提唱した消費喚起策である。月末の金曜日に15時退社を奨励することで退社後の余暇時間が増え消費の増大につながると想定されたが、実際のところ想定どおりにはなっていないようだ。当初から月末の金曜日は最も早期退社が難しい時期でこのキャンペーンを懐疑的に捉えている者は多かった。実際、今ではこの制度を活用している者はごくわずかなようだ。
旅行関連サービス業のエアトリが10~70代の男女781名を対象に「プレミアムフライデー」に関する調査を3月に実施、その結果を9日に公表している。調査結果によると、「勤め先でプレミアムフライデーは導入されたか」という質問に対して90.3%の人が「導入されていない」と回答しており、この制度が普及しているとは言いがたい。一方、「導入された」は前年の調査6.9%から今回の5.5%と1.4ポイント減少、さらに「導入されたが中止となった」が前回1.0%から今回の1.6%と増加しており、導入されたもののその後に廃止する企業が増えているようだ。
「プレミアムフライデーの過ごし方」について尋ねた結果では、「自宅でゆっくり」が45.7%で最も多く、次いで「買い物」41.3%、「外食」34.8%の順となっている。さらにプレミアムフライデーが導入されているにもかかわらず制度を活用せず「仕事」と回答した者も41.3%にのぼり消費喚起効果は極めて限定的のようだ。
出費の変化を聞いた結果では、「変わらない」が61.8%で圧倒的に多く、次いで「増えた」30.9%、「減った」7.3%となっている。「プレミアムフライデーが導入されて働き方は変わったか」という質問に対しては、「変わらない」が72.7%で圧倒的に多く、「変わった」と答えた者のでは「良い方に変わった」と答えた者が16.4%、「悪い方に変わった」が10.9%となっている。「今後も継続すべきか」という質問に対しては、「継続すべき」が10.0%、「条件を変えて継続すべき」が9.9%で、両者を合わせると継続派は19.9%、「止めるべき」が16.3%となっているが、最も多いのは「どちらでもよい」の63.9%で多くの者はそもそも関心が薄いようだ。
自由回答欄を見ると「非正規雇用やサービス業に従事する人間にとっては恩恵が薄く、現実に即していないように感じる」(50代男性)、「一部トップ企業や、中央官公庁だけのセレモニー。実情とかけ離れた机上の企画」(70代男性)など厳しい意見も見られる。普及しない背景には就業実態と合っていないということがありそうだ。(編集担当:久保田雄城)