分譲マンション取得世帯はネット情報を重視 国土交通省調査
2019年4月17日 11:59
国土交通省が住宅市場動向調査の結果を発表し、住宅取得世帯や賃貸入居世帯では不動産業者からの情報に頼る人が多いものの、分譲マンションの取得世帯ではインターネットの情報を頼りにした人が多かったことが分かった。
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■異なる住宅の選択理由
16日、国土交通省が2018年度における「住宅市場動向調査の結果」を発表した。これは2018年度中(2017年4月~18年3月)に住み替え、建て替え、リフォームを行なった世帯を対象として住居別に調査を行なったもので、回答の得られた3,944件を集計、分析している。
住宅の選択理由(複数回答)は住宅種別ごとに異なっており、注文住宅取得世帯は「信頼できる住宅メーカーだから」と答えた人が50.7%、分譲戸建住宅取得世帯は「一戸建てだから/マンションだったから」が54.1%と多め。中古戸建住宅取得世帯では「価格/家賃が適切だったから」の59.7%に、「一戸建てだから/マンションだったから」が58.3%と続く。
民間賃貸住宅入居世帯では「価格/家賃が適切だったから」が50.3%とこの理由だけ半数を越えた。分譲マンション取得世帯では「住宅の立地環境が良かったから」が72.3%と圧倒的になり、中古マンション取得世帯では「住宅の立地環境が良かったから」が60.5%、「価格/家賃が適切だったから」が60.2%と僅差で続いている。
■間取り・部屋数を重視
住宅設備に関する理由では、「間取り・部屋数が適当だから」と答えた人が多く、分譲住宅取得では74.7%、中古戸建住宅取得では76.8%、民間賃貸住宅入居では60.4%、分譲マンション取得では66.7%、中古マンション取得では58.9%となった。ただし注文住宅取得では「高気密・高断熱住宅だから」が59.1%、「住宅のデザインが気に入ったから」が55.4%などとなっている。
■新築の選択は「気持ちが良いから」
新築・中古を選んだ理由について尋ねたところ(複数選択)、注文住宅、分譲戸建、分譲マンション取得世帯のいずれもで「新築の方が気持ちが良いから」と答えた人が圧倒的に多く、以下は「リフォーム費用などで割高になる」「隠れた不具合が心配だった」などが続いている。
一方、中古戸建住宅と中古マンション取得世帯では「予算的にみて中古住宅が手ごろだった」が圧倒的に多く、以下「新築住宅にこだわらなかったから」「リフォームによって快適に住めると思ったから」「間取りや、台所、浴室等の設備、広さが気に入ったから」などが続いている。
■分譲マンション取得世帯はネット情報から
施工者や物件の情報収集方法について尋ねたところ、分譲マンション、中古戸建住宅、中古マンション取得世帯、民間賃貸住宅入居世帯では「不動産業者」と答えた人が多かった。また注文住宅取得では「住宅展示場」が53.9%と多く、分譲マンション取得では「インターネット」でが46.8%、「現地を通りがかった」が31.9%と続いている。
■平均世帯年収は分譲マンションが高め
住宅の種別ごとで平均世帯年収が最も高かったのは、分譲マンションの840万円、ついで、注文住宅(三大都市圏)の779万円、分譲戸建住宅の738万円、中古マンションの715万円、注文住宅(全国)の705万円、中古戸建住宅の671万円、民間賃貸住宅の508万円となっている。(記事:県田勢・記事一覧を見る)