超高層マンション、19年以降に300棟11.4万戸完成予定 増加傾向に 不動産経済研究所
2019年4月13日 10:05
不動産経済研究所の発表によると、2000年代にピークだった20階建以上の超高層マンションが再び増加傾向になっていることが分かった。
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■2019年は69棟1万8,988戸が完成予定
11日、不動産経済研究所が20階建以上の超高層マンションの動向について発表した。2019年における全国で完成予定の超高層マンションは69棟で2018年の45棟から53.3%増、戸数は1万8,988戸で18年の1万1,356戸から67.2%増となっている。このうち、首都圏で完成予定の超高層マンションは34棟1万496戸で、18年の20棟6,380戸からそれぞれ1.7倍、64.5%増となっている。
■2019年以降は300棟11万4,079戸が完成予定
2019年以降に全国で完成予定の超高層マンションは300棟11万4,079戸。同研究所の前回(2018年3月末時点)調査と比較して、56棟1万7,426戸増加しているという。
このうち、首都圏は183棟8万4,012戸、近畿圏は47棟1万4,581戸。その他の地域では愛知県が14棟2,111戸、福岡県が14棟3,857戸、北海道が11棟2,752戸、宮城県が8棟1,579戸など、合計で70棟1万5,486戸となっている。
■首都圏のピークは2007年
資料では1976年以降の首都圏における超高層マンションの完成数推移を掲載している。1976~85年まで8棟1,739戸に過ぎなかった超高層マンションは、1990年代までは10棟前後で推移したものの、2000年になると31棟7,743戸、03年には57棟1万4,984戸と急増し、07年の74棟2万3,313戸がピークだった。
それ以後に低迷した原因について「価格暴騰によるマンション販売の不振」「リーマンショック後の経済情勢」によって計画の延期や事業方針の変更があり、さらに東日本大震災による竣工の遅れがあったとしており、14年には24棟5,620戸まで完成数が落ち込んでいる。
翌15年には33棟1万3,624戸まで回復したものの、16年は18棟7,857戸、17年は20棟5,900戸、18年には20棟6,390戸と、ここ3年間は低い水準に留まった。しかし19年完成予想は、34棟1万496戸と4年ぶりに1万戸を超えており、「都心部や湾岸エリアを中心に超高層大規模開発や複合再開発プロジェクトなどが数多く控えている」ことが要因とみられる。(記事:県田勢・記事一覧を見る)