ハワイで審議の「たばこ許可年齢100歳」にみる未来のたばこ事情
2019年4月11日 08:51
ソフトバンクが就業中の喫煙を禁止とする方向であることを発表した。就業時間中の禁煙を段階的にすすめ、2020年10月に移転する予定の新社屋は完全禁煙となる。星野リゾートも雇用対象を非喫煙者だけに限定している。駅付近やバスターミナルでの禁煙を条例とする自治体も増え、喫煙者に対する風当たりは強くなる一方だ。
そもそも企業や官公庁において喫煙者が就業中にたばこ休憩をとることが問題視され、喫煙のための休憩は非喫煙者との平等性に欠けるという意見があがっていた。たばこはあくまでも嗜好品であり、賃金が発生している時間に喫煙者だけが休憩を認められるのはおかしいというのである。
注目したいのは、アメリカのハワイ州で審議が行われている「たばこの購入許可年齢を100歳まで引き上げる」という法案だ。以前からハワイはアメリカでも喫煙法が厳しい州である。たばこの購入にはIDカードが必要、対面販売のみで購入が可能であり、自動販売機の設置はされていない。また、特別に喫煙所が設けられている場所や私営の施設を除いては、公共交通機関やホテルなどだけでなくレストラン、ショッピングモール、スポーツのスタジアム、公園やビーチなども全面的に禁煙である。
ハワイ州では個人的な事務所は例外としても、冒頭で例に挙げたソフトバンクや星野リゾートのように、すべての事業所が禁煙とされている。日本において一部企業が取り組み始めていることも、禁煙先進国ではすでに当然のこととなっているのだ。
購入許可を100歳からというもの極端な話ではあり、おおげさな数字をだしているにすぎないと考えられる。しかし、この法案を審議にかけるということからは、ハワイ州が禁煙への取り組みを本格的に行いたいことや、喫煙の場を限定的にすることでリゾート地としてのブランド力を高めようとしていることがわかる。
今後は日本においても、喫煙者かどうかで雇用対象の絞り込みを行うことや就業中の喫煙規制をかけることが、単なるマナー以上の役割を果たすことになるだろう。企業が喫煙を認めるか否かを表明することには、企業全体のイメージやブランド力を強化するためのツールとしての働きが期待されているのだ。(編集担当:久保田雄城)