ゴッホが自殺に用いたとされる拳銃がオークションに

2019年4月8日 08:10

 印象派の巨匠ヴィンセント・ファン・ゴッホが自殺に用いたとされる拳銃が、フランスの首都パリにて6月19日、オークションにかけられるという。フランスの競売会社オークションアートが発表を行った。予想落札価格は6万ユーロ、約750万円とされている。

 出品される銃は7ミリ口径のリボルバー「ルフォシュー」。オークションアートは「美術史上最も有名な兵器」と謳っているが、ルフォシューというリボルバー自体は元々安い普及品で、しかも保存状態は最悪(長く畑に埋まっていたらしい。もちろん発射可能な状態でもなく、レストアも不可能と思われる)である。

 何よりも問題なのは、このボロボロの銃が本当にゴッホを撃った銃なのかどうかという点であるわけだが、専門家もCNNの取材に対し「非常に可能性は高いが確証はない」としているという。ゴッホの弟テオが発見して保存していたなどといった事情で残っていたわけではなく、この銃は、科学的な調査の結果、ゴッホが自殺した1890年頃から銃がゴッホが自殺したとされる場所で発見された1960年頃まで土に埋まっていたのことである。

 発見したのは近所の農民で、その後展覧会に出品されたりしていたのだが、今回、現在の所有者が手放すことを決め、オークションにかけられることになったとのこと。

 ゴッホは1853年にオランダに生まれた。細かく分類すると、オランダのポスト印象派に分類される画家で、20世紀の美術にさえ大きな影響を及ぼしたとされる。有名な話だが、生存はまったく評価されず、売れた絵は一枚だけだったといわれているが(異説もある)、今日的には「死後に評価が高まった芸術家」の代表例であるといえる。

 ちなみにゴッホの死についてだが、これも専門的な話になって難しいが、実は自殺ではなく他殺だったという説も近年出されたりしている。何が本当なのか分からないことは多いが、いずれにせよこのボロボロの銃にいくらの値がつくか、ちょっと興味深いところではある。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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