ヨドバシHD、石井スポーツを買収、家電以外の商品強化へ
2019年4月3日 21:08
ヨドバシカメラを展開する家電量販大手のヨドバシホールディングス(HD)は3日、投資ファンドのアドバンテッジパートナーズ(APファンド)が保有するアウトドア用品店のICI石井スポーツの全株式譲り受けに合意したことを明らかにした。石井スポーツとその子会社のアート・スポーツをヨドバシHDの完全子会社とすることで、家電以外の商品を強化する狙いがある。
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株式の譲渡は3月28日付で合意され、4月末までをめどに実行される予定。買収金額は公表していない。このタイミングに合わせ、APファンド以外の株主もヨドバシHDに株式を譲渡することが想定され、ヨドバシHDが石井スポーツの100%株主になる見通し。
完全子会社になったあとも、石井スポーツの店名や雇用は維持される。ヨドバシカメラの店舗に石井スポーツがテナントとして入居し、物流も含めて効率化を図る。ヨドバシHDは通販サイトの「ヨドバシ・ドット・コム」で石井スポーツのアウトドア用品を取り扱う方向で検討を始めた。
石井スポーツは1964年、東京都新宿区で創業し、スキーや登山を中心としたアウトドア用品を取り扱う専門店を運営している。著名なスキーヤーや登山家と所属契約を結んだほか、2009年にIBS石井スポーツを買収するなどして事業を拡大した。店舗は全国に31あり、2015年度の売上高は約137億円で、従業員約250人。2016年からAPファンドの傘下に入っていた。
家電業界は激しい競争などから売り上げが頭打ち傾向で、住宅のリフォームなど家電以外の商品やサービスを提供するところが増えてきた。ヨドバシHDも2018年末に酒類の取り扱いを始めるなど、家電以外に商品の幅を広げている。今後、企業買収なども積極的に進め、家電以外の商品をさらに増やしたい意向。
ヨドバシHDは「石井スポーツとアート・スポーツの高い専門性を評価し、お客様サービスの向上や収益の拡大に努めたい」とするコメントを発表している。(記事:高田泰・記事一覧を見る)