働き方改革は中小企業の「IT導入チャンス」 補助金も活用し最適なサービスを

2019年4月2日 17:16

 2019年4月1日から順次関連法が施行される「働き方改革」。中小企業の課題となる生産性向上を「IT導入補助金」の活用により実現するチャンスといえる。

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■IT導入補助金とは
 IT導入補助金制度は、2017年度からスタートした経済産業省の実施する中小企業、小規模事業所を対象とした助成金制度である。働き方改革施行と連動し、2019年度の補助額が上限、下限とも大幅に引き上げられたことで、注目されている。

■業務改善助成金制度とは
 働き方改革の課題である“最低賃金の引き上げ”を実現するための助成金制度が「業務改善助成金制度」である。この助成金は、IT導入補助金制度と異なり、対象事業場や補助金支給条件など、細かな規定があるため、利用できるかどうか確認が必要だ。

■自社に適したクラウドサービス選択が重要
 働き方改革により充実した助成金制度を上手に利用すれば、現場レベルでの生産性向上を実現させることができる。クラウドサービス開発企業も、働き方改革施行を機により充実したシステムが提供できるよう、協業や既存システムの連動、リニューアルがされている。IT導入チャンスを成功に結びつけるためには、様々なクラウドサービスから自社に適したシステムを選択することが重要と言える。

●身近な業務から効率化「経理関連クラウドシステム」
 交通費など経費精算を効率化させるクラウドシステム「楽楽精算」を提供するラクス(東京都渋谷区)と、経費に関わるすべての処理をWeb上で完結できる「Web給金帳Cloud」を提供するインターコム(東京都台東区)は、「総務・経理部門の働き方改革」実現を目的にソリューション提供の協業を2019年2月から開始した。

 このサービスは、経費明細書を電子化し従業員へ自動配付でき、総務・経理部門の紙帳票作成や処理負担を軽減できる。

●既存機器にITをプラス「紙から電子データ化するクラウドシステム」
 オフィスでコピー、データのプリントアウトに使用される複合機。この複合機のスキャナー機能とネットワークを連携させたクラウドサービスを提供する富士ゼロックス(東京都港区)は、「建設現場の働き方改革を支援」するサービスで実績を上げた。

 このサービスを利用した西松建設は、建設現場の書類作成関連業務を約35%削減している。

●人からボットへ 顧客対応365日24時間化「コールセンター関連クラウドシステム」
 顧客からの問い合わせに対応するユーザーサポート。この業務に「チャットボット」を導入すると、スタッフに代わり365日24時間システムが対応してくれる。

 チャットボット「hitobo」を提供しているアディッシュ(東京都品川区)は、働き方改革の施行に合わせ、チャットボットをリニューアルし、4月下旬にリリースを予定している。リニューアルにより、チャットボット導入課題であった「構築に関する深い事前知識」が不要になり、「構築と改善に必要であった作業時間」が大幅に削減、システム構築の作業負荷が最大10分の1以下に削減できると発表している。自社に適したチャットボットを従来の10分の1以下のコストで構築できるのである。


■業務用PCの入れ替機会「Windows7、8.1のサポート終了」
 生産性向上の第1歩と言える業務用PCの活用。現在使用している業務用PCのOSが、Windows7、8.1であればサポート終了までに入れ替えが必要である。

 <延長サポート終了予定>
 ・Windows7:2020年1月14日
 ・Windows8.1:2023年1月10日

 働き方改革を機に、業務用PCの入れ替え検討をおすすめする。

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