睡眠時間と甘いものへの欲求には関連がある アメリカの研究
2019年3月23日 18:01
●睡眠時間と食欲の関連、新たな研究
アメリカのミシガン州立大学は、科学誌『フード・クオリティ・アンド・パフォーマンス』に、睡眠と甘いものへの欲求についての研究結果を発表した。この傾向は男女差がないことも報告されている。
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●睡眠が足りていることのメリット
一般的に、成人に必要な睡眠時間は7時間から9時間といわれている。それぞれの体力や年齢によって必要な睡眠時間は異なるものの、睡眠が足りていることのメリットは計り知れない。
免疫機能に良い影響を与えるほか、ストレスの軽減、慢性疾患の予防、職場や学校での効率的なパフォーマンスを可能にするといわれている。逆に睡眠が十分でなかったり、質の良い睡眠が得られていなかったりする場合は、健康を損ねる可能性があるのはこれまでの研究でも明白である。心血管疾患や糖尿病、高血圧などの疾病の要因には、睡眠不足もあるといわれているのである。
●食欲を調節する2つのホルモン
睡眠不足と食の関係については、過去にもさまざまな研究が行われてきた。
その中で明らかになっているのは、睡眠は食欲と関連のある2つのホルモンに影響を与えるということである。それが食欲を刺激する「グレリン」と満腹感に関連する「レプチン」である。具体的には、睡眠不足となるとグレリンの分泌が活発になり、レプチンのレベルが下がる。これによって、食べ物への欲求が高まるのである。
よく眠れない人が肥満になりやすい理由が、このホルモンのバランスが崩れることにあるのだ。
●男性51人を対象に調査を実施
ミシガン州立大学では、51人の男性を対象に調査を実施した。男性たちのボディマス指数は30kg/m2以下であるため、肥満ではない。
2日間、それぞれの睡眠を電極でモニタリングし、全体の睡眠時間に加えレム睡眠とノンレム睡眠の時間も測定された。その後参加者は、濃度が異なる砂糖水を飲み、テストを受けた。
●睡眠時間が少ない人ほど糖分を欲する
その結果、睡眠時間が少ない人がより糖分を欲することが明確となった。さらに脳が活発に動いているレム睡眠の時間が短い人も、より甘いものへの要求が高いことも判明している。
過去に、女性を対象に同様の調査が行われたが、今回の男性を対象にした研究も結果はほぼ同じであったという。
●質の良い睡眠のためには
専門家たちは、質の良い睡眠がより健全な食生活のために不可欠と結論付けている。日常生活の中で適度に体を動かし、脂肪分が多い食材や加工食品の過剰摂取は避けること、また就寝1時間前にはスマホのスイッチを切るなどの生活習慣が、質の良い睡眠への近道であるとしている。