ボーイング737MAX8型機の連続墜落事故、米司法当局が捜査開始か 米紙報道
2019年3月20日 20:27
アメリカの有力紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」によれば、相次いで墜落事故を起こしたボーイング737MAX8型機に関し、米司法当局が開発の経緯などについて捜査に乗り出したとのことである。
737MAX8型機は、18年10月のインドネシアのライオンエアの墜落事故に続き、19年3月10日にもエチオピア航空が墜落事故を起こしている。半年のうちに2度も同型機が墜落事故を起こしたことは異例で、各国は相次いで原因が究明されるまでの間、同機の運航停止を発表している。
同紙によれば、首都ワシントンの大陪審が、エチオピア航空の墜落事故の翌日11日、ボーイング社の開発担当者に対し召喚状を出したとのことである。これは、月内に737MAX8の開発に関連する書類・電子メール等の資料の提出を求めたものだ。召喚状の求めに応じなかった場合には、罰則もあるという。
航空業界の専門家の中には、相次ぐ2度の墜落事故は、737MAX8に搭載された「自動操縦システム」に問題があった可能性を指摘するものもいる。パイロットが同システムを解除して手動に切り替えることが出来なかったのではないかというのだ。同時にこうした新システムについて、十分にパイロットの訓練が実施されなかったのではないかとの指摘もある。
大陪審が召喚状を出す以前に、米連邦検察当局や米運輸省も調査に乗り出しているという。米連邦航空局(FAA)は、昨年10月のインドネシアでの墜落事故を受けてボーイング社のソフトウエア修正についての分析を続けていた。米司法当局はFAAによるボーイング社の監督責任についても調査を進めているという。
司法当局は、現時点では当該墜落事故が「刑事事件」として起訴できるかどうかは不明としている。しかし事故原因が究明されるまでは、あらゆる関連捜査が進められることは間違いない。
ANAは既に発注済の737MAX8型機30機については、未だ延期なり中止なりの判断を示していない。特に中国は、ボーイング社にとっては大口の顧客であり、737MAX8型機のみならず、他の機種の発注にまで影響を及ぼす懸念も生じている。(記事:kan1713・記事一覧を見る)