ワカメを食べると血糖値などの上昇を抑制 理研ビタミンが確認
2019年3月20日 11:12
ワカメスープなど乾燥ワカメを使った家庭用食品を製造・販売している理研ビタミン(東京都千代田区)は19日、ワカメを食べることによって、食後の血糖値の上昇やインスリンの分泌が抑えられることを、人による試験で確認したと発表した。研究内容は3月24日から開かれる日本農芸化学会で発表するという。
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試験では、健康な成人男女26人に対し、米飯200グラムだけを食べたときと、米飯200グラムと水で戻した乾燥ワカメ4グラムを食べたときで、血糖値や血液中のインスリンの値に違いが出るかどうかを調べた。
血糖値とインスリン値の測定は、ご飯を食べる前と食事30分後から2時間後までの30分おきに実施。その結果ワカメを食べたときの血糖値は、食べていないときに比べて上昇が抑えられ、食事30分後が最も差が大きかった。またインスリン値も、同様に食べたときの方が抑えられ、やはり食事30分後で著しい差が出たという。
食事をして炭水化物を取ると、消化によってブドウ糖に変わり小腸から吸収されて血液に入るため、食後は血液中のブドウ糖量(血糖値)が上昇する。そして血糖値が上昇すると、膵臓からインスリンが分泌され、ブドウ糖が筋肉を動かすエネルギーとなるが、余った糖は脂肪として内臓に蓄えられてしまう。
血糖値のコントロールは、動脈硬化の予防や糖尿病の進行を防ぐために必要だとされ、過剰なインスリンの分泌は肥満の原因にもなる。同社では、「食事のメニューにワカメを取り入れることで、食後の血糖値の上昇やインスリンの分泌を抑える効果が期待できる」としている。
同社は乾燥ワカメを使った家庭用食品を開発する一方、「海藻は日本を代表する食材で健康的だとのイメージがあるにもかかわらず、その健康効果には未解明な部分が多い」としてワカメの健康への効果を研究。これまで、血圧やコレステロールへの影響、腸内環境の改善効果などについて発表してきた。