NYの視点:米コアCPIがFOMCの慎重な姿勢を正当化

2019年3月13日 07:35


*07:35JST NYの視点:米コアCPIがFOMCの慎重な姿勢を正当化
米労働省が発表した2月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.2%と、4カ月ぶりに上昇した。主に食料品、ガソリン価格、家賃の上昇が全体指数を押し上げた。ガソリン価格は1月の5.5%下落から1.5%上昇に転じた。食料品価格は0.4%の上昇、2014年5月来で最大の伸びを記録した。家賃は0.3%上昇。一方で、処方薬など、ヘルスケアコストは下落した。前年比では+1.5%と、予想外に1月+1.6%から低下。2016年9月以降ほぼ2.5年ぶり低水準となった。

変動の激しいエネルギーと食料品を除く2月消費者物価コア指数は前月比+0.1%と、予想外に1月+0.2%から低下。4月来で最低となった。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)がインフレ指標として注視している前年比では+2.1%とやはり予想外に1月+2.2%から低下し、10月来で最低となった。FRBが金融政策を決定する上で重要視しているコアPCE(個人消費支出)物価指数の12月分は前年比で+1.9%と、目標の2%近くで推移している。

労働市場のひっ迫が賃金の上昇に繋がる中、国内外の成長減速がインフレの上昇を抑えている。2月の賃金の伸びは年率で3.4%と、2009年4月以来で最大。NY連銀が11日に発表した統計で、2月のインフレ期待は低下した。

予想を下回ったCPIは、FOMCの金融政策変更に慎重で辛抱強い方針を正当化する。《CS》

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