欅坂46 長濱ねる卒業報告
2019年3月8日 22:12
新曲『黒い羊』も好評な欅坂46に激震が走った。メンバーの長濱ねるがブログで卒業を発表したのである。
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先月から、レギュラーのラジオを休むなど、その予兆を感じていたファンもいるが、それでもほとんどのファンにとっては寝耳に水の出来事で、かなりの動揺があったようだ。
元々、1期生オーディションで最終まで残りながら両親の反対などで最終オーディションを辞退していた長濱だが、その素質に目をつけたスタッフが、彼女と両親を乃木坂46のライブに招待し、説得して、1.5期生として少し遅れて合流したが、才色兼備な優等生にして人懐っこいタヌキ顔で人気になり、写真集も10万部をこえる大ヒット。
また、クイズ番組にソロで出演するなど、まだ外番組の出演が少ない欅坂にとっては、ファン以外にアピールできる貴重な存在だった。全員選抜の欅坂46だが、遅れて合流した彼女は、一人だけの「ひらがなけやき」というポジションになり、先日「日向坂」に改名した後輩たちのキャプテン的なポジションで兼任するなど、欅坂46の中でも、最も忙しいポジションで頑張っていた。
そんな彼女がどうして……? という思いは、当然あるわけだが、彼女のブログにはそのことには触れず、スタッフ、メンバー、ファンへの感謝と、卒業後は未定ということしか触れていない。
それにしても、卒業ラッシュとはいえ、その卒業は次のステージへの前向きなものであるとファンが背中を押せる乃木坂に対し、欅坂メンバーの卒業には、どういうわけか闇を感じるというか、あまりすっきりしない思いが残ってしまうのはなぜだろうか?
歌唱力とバラエティ適性などで、早くから注目されていた今泉、写真集の大ヒットと聡明な明るさでファンを獲得していた長濱と、有力なセンター候補が早々にグループを卒業してしまうというのは、やはり固定化(聖域化)されたセンターという閉塞感、さらにメッセージ性の強すぎる楽曲に偏った戦略が、アイドル志望のメンバーにとっては違和感があるということなのかもしれない。
そしてある意味、長濱のために作られた「ひらがなけやき」が、名実ともに「日向坂」となって独立したことで、長濱がここで自分が為すべき使命は終わったと感じてしまった可能性もある。
先日、彼女たちの冠番組『欅って書けない』(テレビ東京系)において、ヒット祈願で滝行に行くという企画が放映された。その際、滝行に行きたい人を立候補させたのだが、なんと全員が手を挙げて滝行を志願し、逆に誰を選ぶのかスタッフとMCが困惑するという内容になった。
それはそれでとても感動的ではあったのだが、挙手したメンバーのほとんどが「自分は欅坂に貢献できていないから」という内容だったのが、妙に心に重く残っている。欅坂だって、活動を始めて3年。メンバーはそれぞれ努力して成長している。徐々にではあるが、外仕事も順調にふえてきてもいる。CDだってヒットし続けている。
にも関わらず、「貢献できていない」と涙を流させてしまうのは、彼女たちが充実感や達成感を感じることが少ないからであろう。
固定されたセンターが悪いというのではないが、メンバーの一人一人に、「アイドルをしていてよかった」という充実感を与えるようなマネージメントができれば、今の欅坂に漂う悲壮感、閉塞感が少しでも解消できると思うのだが……。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る)