NYの視点:米2月雇用統計:雇用の伸びは鈍化も賃金上昇か
2019年3月7日 07:37
*07:37JST NYの視点:米2月雇用統計:雇用の伸びは鈍化も賃金上昇か
米国労働省はワシントンで3月8日に最新2月の雇用統計を発表する。市場エコノミストの平均予想で失業率が3.9%、非農業部門雇用者数の伸びは18.1万人と、1月の30.4万人から伸びが鈍化すると見られている。
労働省が発表する雇用統計との相関関係が最も強いとされる民間雇用の統計であるADP雇用統計の2月分は前月比+18.3万人となった。伸びは1月+30万人から鈍化し11月来で最小の伸びとなり、予想の+19.0万人を下回った。
製造業雇用の指針となる2月ISM製造業の雇用は52.3と、1月55.5から低下し、2016年11月来の低水準となった。また、米国経済の7割を消費が占めるため民間雇用動向を判断する上で重要視されるISM非製造業の2月分の雇用も55.2と、1月の57.8から低下し、8カ月ぶりの低水準となった。雇用の伸びがピークをつけた可能性が示されるともとれる。ただ、ISMで調査対象となった企業によると、条件を満たす雇用者を見つけることが「非常に困難」であるという。求人件数は依然高止まりしている可能性がある。米国の労働市場は依然強く、いずれ賃金の上昇に繋がるとの見方も強まった。
注目の平均時給は前月比+0.3%、前年比+3.3%と、1月+0.1%、+3.2%から伸びが拡大すると見られている。ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)の当面金融政策を据え置く方針に変わりはないと見る。
■2月雇用統計の先行指標
・ADP雇用統計:前月比+18.3万人(予想:+19.0万人、1月:+30万人←+21.3万人)
・ISM製造業雇用:52.3(1月55.5)2016年11月来の低水準
・ISM非製造業雇用:55.2(1月57.8、6カ月平均57.7)、8カ月ぶり低水準
・NY連銀製造業景況指数:
雇用(現状):4.1(1月7.4、6カ月平均10.6)
週平均就業時間:2.5(1月6.8、6カ月平均6.0)
6か月先
雇用:19.1(1月8.5、6カ月平均15.4)
週平均就業時間:16.4(1月1.4、6カ月平均5.9)
・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
雇用(現状):+14.5(1月+9.6、6カ月平均+16.6)
週平均就業時間:+4.7(1月+6.0、6か月平均+9.5)
6か月先
雇用:23.6(1月34.7、6か月平均31.1)
週平均就業時間:6.9(1月17.0、6か月平均12.9)
・リッチモンド連銀製造業景況指数
雇用(現状):15(1月19)
週平均就業時間:−1(1月7)
賃金::29(1月31)
6か月先
雇用:15(1月21)
週平均就業時間:−1(1月7)
賃金::51(1月48)
・消費者信頼感指数(%)
雇用
十分:46.1(1月46.7、前年同月39.1)
不十分:42.1(40.7、45.8)
困難:11.8(12.6、15.1)
6カ月後の雇用予想
増加:18.5(15.3、22.4)
減少:12.2(16.2、12.4)
不変:69.3(68.5、65.2)
6カ月後の所得
増加:20.0(17.7、23.5)
減少:8.5(6.8、8.6)
不変:71.5(75.5、67.9)
・失業保険申請件数
件数 前週比 4週平均 継続受給者数
02/23/19| 225,000| 8,000| 229,000 | n/a |
02/16/19| 217,000| -22,000| 236,000 | 1,805,000
02/09/19| 239,000| 4,000| 231,750 | 1,726,000
02/02/19| 235,000| -18,000| 225,000 | 1,780,000
01/26/19| 253,000| 53,000| 220,250 | 1,736,000
01/19/19| 200,000| -12,000| 215,250 | 1,778,000
01/12/19| 212,000| -4,000| 220,500 | 1,714,000
01/05/19| 216,000| -17,000| 221,750 | 1,737,000
■2月雇用統計市場予想
失業率:3.9%(1月4.0%)
非農業部門雇用者数:前月比+18.1万人(1月+30.4万人)
民間部門雇用者数:前月比+18万人(1月+29.6万人)
平均時給:予想:前月比+0.3%、前年比+3.3%(1月+0.1%、+3.2%)《CS》