副業解禁時代における会社と社員の信頼関係

2019年3月7日 12:30

 「副業解禁時代」が来たと言われるようになって1年が経った。これは2018年1月、厚生労働省が「モデル就業規則」において副業を原則禁止・制限していた従来の規定を削除したことから始まった。18年4月には新生銀行が大手銀行としては初めて「兼業・副業」を解禁するなど副業解禁の動きはあったものの、その流れは限定的であるようだ。

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 リクルートキャリアによる「兼業・副業に対する企業の意識調査(2018)」(2018年10月公開)によれば、前回の調査(2017年2月公開)よりも5.9ポイントの上昇が見られるものの、兼業・副業を容認・推進している企業は全体の28.8%にとどまっている。これを受け、「結局おれらは社畜なんだよね」「自由な働き方なんてできない」という否定的な反響が大勢を占めているようだ。

 しかし、副業(兼業を含む)を認めない会社側の言い分もわからないではない。それは、副業を認めるデメリットが多く存在するからだ。デメリットには以下のようなものがある。

 ・従業員の労働時間管理が難しくなる
 ・従業員の労働時間が長くなり、健康管理が難しくなる
 ・会社の情報漏洩や競合につながる危険性がある

 このような状況にあると、従業員側としては「副業もバレなければ大丈夫」「隠れてやろう」という意識が働きやすくなるかもしれないが、おすすめできない。いまだにほとんどの会社は、副業に関しては許可制を敷いている。副業申請を通さずに副業を行い、それが発覚した場合はもちろん懲戒の対象になるのである。

 会社と社員は敵同士ではない。会社とあなたは同じ方向を向いたチームであり、会社はあなたの居場所でもあるのではないだろうか。

 副業をしたいのならしかるべき申請をし、認めてもらうための努力をすべきであろう。許可が下りないのなら、理由を確認した上でそれがクリアになるような改善策を検討し、再度会社側に相談するなどの努力の余地があるはずである。

 こうしたあなたの地道な努力や会社とのコミュニケーションの積み重ねが、副業解禁時代における会社と社員の信頼関係を築くことにつながり、あなたならではの働き方を手に入れることにもなるのである。

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