情報社会におけるコミュニケーション 迅速対応と誠実さが鍵

2019年3月6日 09:57

 企業にとってリピーターの存在は重要だ。その企業の商品やサービスを気に入って何度も利用する人であれば、ネットで情報を広める事によって一般の評価を高めてくれる場合もある。しかしその一方で、企業に対して不満を抱く顧客がいるのも事実である。

 Communication Science Labでは企業と消費者のコミュニケーションについて調査を行い、不満顧客のリピーター転換に関して重要な手がかりを公開した。直近6ヶ月間のうちに企業とコミュニケーション経験がある男女にアンケートを実施した結果、顧客が企業に対して抱く不満の中で最も多かった体験は電話で長時間待たされたというものである。67%もの人がこの経験をして不満に感じたと回答した。

 カスタマーサービス等に問い合わせたもののスムーズな回答を得られず、電話越しに待たされたという経験は誰でも一度くらいはした事があるはずだ。しかし企業に直接問い合わせを行う人は少なからず困っている状況にある。そのため迅速な対応を得られないと、その時点で更なるストレスになってしまうケースが多いのだろう。

 反対に期待以上の迅速な対応を受けられれば、顧客の満足感はより大きくなっていく。企業の対応で感動させられた事の上位三つのうちの一つはスピーディーな返答や問題の解決であった。また、迅速な対応以上に顧客に満足感を与えているのは、担当者の知識や説明が優れている事や、裏表のない情報提供をしてくれる事の二つである。

 都合の悪い情報を隠されたり、説明されたことに不備があったりすれば、顧客が抱くのは不満どころか不信感になってしまう。だからと言って適切な回答のために時間をかけすぎるのは論外だ。今はいつでもどこでもネットに接続できる環境があり、調べたい事があれば求める情報が誰でも即座に手に入る。こういった便利な状況が当たり前になっているため、現代を生きる人の多くは長く待たされている事に慣れていない。パソコンやスマートフォンの画面が次のウェブページに切り替わるまでのほんの数秒間でさえ、人によっては大きな苛立ちを募らせてしまう事まであるだろう。

 迅速で誠実な対応はどの企業にも求められるが、実際に行えているかと問われると自信を持って頷ける人はあまり多くないかもしれない。だからこそ基本的な姿勢を忘れずに丁寧な対応を行えば、自ずと顧客のリピート率も高まっていく可能性がある。(編集担当:久保田雄城)

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