米ボーイング、B777Xの飛行試験機3月13日ロールアウトへ
2019年3月6日 21:27
●いよいよベールを脱ぐB777X
アメリカのボーイング社は6日、同社が開発中であった次世代航空機のB777Xの1号機を3月13日にロールアウトすると、SNSを通して発表した。B777Xは、現行のB777シリーズを置き換える目的で開発された次世代旅客機で、B787の開発で用いられた技術が投入されている。B777-8とB777-9の2つが開発されており、B777-9は、現行のB777-300よりも長くなり、双発機とはしては最大の旅客機となる。
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●ロールアウト後に試験飛行へ
航空機は開発後、ある程度今後の試験日程についてめどがついた段階でロールアウトをする。今回、3月13日にロールアウトが行われることで、かねてより計画されていた2019年前半の初飛行、その後、型式証明などを経て航空会社には2020年頃から引き渡しが行われていく。B777Xの製造に関しては日本の企業も参加しており、全体の21%にあたる部分を川崎重工業や三菱重工業などが担当している。
●新機能の開発・承認も順調に
B777Xには、さまざまな最新技術が導入されているが、大きなポイントが先端を折り畳める主翼にある。エアバスが開発したA380は主翼が長すぎることにより、利用できるスポットに制約があったことから、B777Xでは、この問題を解決するため全長約72mの主翼の先端が垂直に曲がる。開発段階では耐久性に関して不安があったが、1年間の試験期間を経て、米連邦航空局(FAA)の承認を得ることができた。
●日本ではANAが既に20機を発注済み
B777Xの各航空会社からの受注は順調に進んでおり、日本ではANA(全日本空輸)が20機をオーダーしている。他にもエミレーツ航空(UAE)やブリティッシュエアウェイズ(イギリス)などから発注を受けており、既に受注数は350機を越えている。どの会社も大型機の置き換えを目的としており、ANAではB777-300ERを、ブリティッシュエアウェイズではB747-400をB777Xの導入によって置き換える。今後は、いつから納入が始まり、路線への投入が始まるのか楽しみである。(記事:speedbird・記事一覧を見る)