アルペン、希望退職者募集に予定上回る応募 特別損失は21億円を計上
2019年2月27日 20:18
アルペン【3028】は26日、1月9日に公表していた300名程度の希望対象者募集に関して、355名が応募したことを明らかにした。これに見込まれる費用として、2019年6月期第3四半期決算に21億円の特別損失を計上する予定としたが、期末予想の修正はないとしている。
【こちらも】シキボウ、中国の子会社を解散 東南アジアへシフト
同社は愛知県名古屋市に本社を置くスポーツ用品販売大手である。1972年にスキー用品店として創業し、総合スポーツ量販店へと成長した。また自社ブランドの開発も早くから行い、高い利益率を維持していた。そのほか自社で運営するスキー場やゴルフ場を有している。
アルペンは1月9日、収益性の改善とそれに伴う企業の持続的成長を目的として、希望退職者の募集を行うと発表。45歳以上64歳未満の社員を対象とし、同社と子会社のジャパーナから希望者を募った。希望退職の優遇措置として規定の退職金に加えて特別加算金を付与すると、退職者のうち希望者には再就職支援会社による再就職支援も実施するとしていた。
この募集は2月4日から20日の間に行われ、355名の社員が希望退職に応募した。予定よりも多い応募であるが、超過人数に関するコメントはないため、同社は全員退職させる方向で考えているとみられる。なお退職日は3月21にとなっている。
1980年代からスポーツ用品販売店のトップを走っていた同社であるが、近年は異業種からの参入も多く苦戦を強いられており、不採算店の撤退や、業態を変えたリニューアルなど収益改善の取り組みが行われていた。それにも関わらずリストラを断行せざる得なかったのは、収益力の低下が相当問題視されているからだと言える。2018年6月期末での営業利益率は1.3%、ROEは1.9%であり、26日時点での株価は1655円、PBRは0.64倍である。収益力の低下が株価の低迷として反映されている。今回のリストラを機に収益力改善とそれに伴う株価の上昇が期待される。(記事:福井廉太・記事一覧を見る)