米FDA、若いドナーの血漿に老化抑制効果確認されず 危険伴うと注意喚起

2019年2月24日 17:02

米食品医薬品局(FDA)は19日、老化に伴う症状などの治療を目的として行われる若いドナーの血液から分離した血漿の成分輸血について、効果が確認されていないだけでなく危険も伴うとして注意喚起した(FDAの声明安全情報The Vergeの記事Ars Technicaの記事)。 マウスによる実験では若いマウスから血液を輸血することで幹細胞が活性化するなどの効果が確認されているものの、FDAの認める臨床試験等は行われておらず、治療効果も安全性も確認されていない。血漿の成分輸血については投薬や病気による凝固因子を補うための治療法が確立しており、FDAでは治療効果がリスクを上回るとして承認している。それでも血液製剤に病原体が含まれるリスクは排除できず、血漿の成分輸血ではアナフィラキシーショックを含むアレルギー反応や急性肺傷害、呼吸困難等を引き起こす可能性もある。 一方、若いドナーの血漿を成分輸血することによる治療効果は確認されていないにもかかわらず、このような療法を行うクリニックは増加しており、数千ドルを払ってでも治療を受けたい患者は悪徳業者の食い物にされているという。これにより、実際に効果のある治療法から患者を遠ざけることにもつながりかねない。FDAでは今後も注視を続け、必要があれば州当局などと協力してさらなる対策を講じるとのことだ。 スラドのコメントを読む | サイエンスセクション | サイエンス | 医療 | アメリカ合衆国 | 政府

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