ユーグレナとデンソー、バイオ燃料開発などで提携
2019年2月21日 21:52
微細藻類ユーグレナ(ミドリムシ)を使った食品や化粧品の開発・販売を手掛けるユーグレナ(東京都港区)と、大手自動車部品メーカーのデンソー(愛知県刈谷市)は20日、微藻類を使ったバイオ燃料や食品・化粧品などの開発のため包括提携すると発表した。両社はこれまでも微細藻類の大量培養や商品開発にそれぞれ取り組んできたが、バイオ燃料を安定的に大量生産できる技術の確立に向けて、互いに協力していくことになった。
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ユーグレナは2005年に世界で初めてミドリムシの屋外大量培養技術の確立に成功。ミドリムシやクロレラなどを使った機能性食品や化粧品などの開発・販売を行っている。またデンソーも、京都大学と共同で特許を取得した微細藻類コッコミクサKJを使ったバイオ燃料の研究を2008年から始め、屋外大量培養の実証実験も行っている。
今回の包括提携における最大の目的は、微細藻類からのバイオ燃料の安定的な精製。ユーグレナは2020年のバイオジェット・ディーゼル燃料の実用化を目指しており、今年は燃料の実証製造・供給を計画している。
この燃料製造の材料として、ミドリムシに加えてデンソーが培養したコッコミクサKJを使うことで、ユーグレナは原料調達の多様化と安定的な供給態勢の構築を図る。またデンソーは、製造されたディーゼル燃料を社内運行バスに使用することを検討している。両社は「微細藻類から燃料を作るという事業の確立は、世界でまだ誰も成し得ていない大きな挑戦だ」とし、日本をバイオ燃料先進国にすることを目指すという。
また、両社は食品や化粧品の開発にも共同で取り組む。デンソーはコッコミクサKJによるヒトの免疫力向上や、インフルエンザ・ノロ・ヘルペスなどのウイルスに対する抑制効果について研究しており、ユーグレナが持つ食品や化粧品の研究開発力や企画・販売力を生かし、新たな商品の開発を進める。
両社は「微細藻類に関する互いの技術を融合させ、バイオ燃料の提供による地球環境の保護と人々の健康的な暮らしに貢献していきたい」としている。