理研がスパコン「京」後継機の名称を公募 発表は5月を予定

2019年2月18日 09:39

 2月15日、理化学研究所(理研)はスーパーコンピューター「京」の後続機について、名称を公募すると発表した。期間は2月15日~4月8日まで、理研・計算科学研究センターのWebサイトにて受け付けている。

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■「京」の性能を100倍向上させた次世代機

 8月に運用を終えることになった国産スパコン(スーパーコンピューター)「京(けい)」の後続機は、2019年度から設置に着手し、2021年度にも運用開始を目指す。

 今回公募している名称については、「世界トップレベルの研究拠点・スーパーコンピュータであること」の認知や、「日本国内のみならず、世界中の方々にとって親しみやすい名称であること」を期待したいという。

 応募資格は個人であれば誰でも可能で、1人で複数の応募もできる。結果の発表は、2019年5月末を予定しているという。

■スパコン「京」とは?

 「京」は、神戸にある理研の計算科学研究センター(旧計算科学研究機構)に設置されているスーパーコンピューターだ。愛称の「京」は、浮動小数点(※コンピューターの数値表現)演算を「1秒=1京回」行う処理能力(10ペタフロップス…1ペタ=千兆)に由来する。

 文部科学省の“次世代スーパーコンピューター計画”の一環として、理研と富士通による共同開発で製作。総開発費1,120億円が投じられ、2012年に完成し、同年9月から運用が開始された。

 世界のスパコン性能ランキング「TOP500」では、2011年6月と11月に1位に輝いたが、2012年6月に米国IBMの「Sequoia」に1位の座を奪われてしまった。

 数字の単位である“京”は、万、億、兆の次に来るものだ。京の上には垓(=10の20乗)、さらにその上には穣(=10の28乗)と続いていく。

 後続機となるスパコンは、「京」よりも最大100倍、アプリケーション実効性能を向上させた仕様という。情報にあふれた現在社会において、国産スパコンがどのような愛称を得て活躍するのか楽しみだ。(記事:高塔・記事一覧を見る

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