JR北海道、新型観光用車両を2編成新造へ 2020年秋に投入
2019年2月16日 21:11
●経営改善の柱として期待
JR北海道は2020年秋に新しい観光・多目的特急用の新型車両を2編成投入すると発表した。これは、2018年7月に国土交通省より出された「事業の適切かつ健全な運営に関する監督命令」に基づいたもので、経営改善策として観光列車の充実を求められたことがきっかけとなった。すでに発表されている他社から借り入れて運転する「THE ROYAL EXPRESS」と「びゅうコースター風っこ」、さらに今後改造される普通気動車2両と合わせて、観光促進の起爆剤として期待されている。
【こちらも】東武東上線に「川越特急」新設 池袋・川越アートトレインも運行開始
●新型特急は現行の特急車両を改造
新造される多目的特急車両は、現在「スーパー北斗」や「スーパーとかち」で運行されている261系1000番台を改造した車両になる。現行の特急車両を改造することによって車両の開発にかかる費用を抑える。さらに同じ車両を使うことで、ダイヤ、運用の効率化を図ることができる。また、観光用の特急ではあるが繁忙期には臨時特急としても運用ができるよう計画している。
●内装は大幅にリニューアル
新しい特急車両は2編成でそれぞれ、北海道を代表する花である「はまなす」と「ラベンダー」をイメージするデザインになる。1号車は、車内でのイベントや食事などに利用することができるフリースペースとなり、2~5号車は一般座席となるがグループ旅行や食事の際に座席を反転させても利用できるテーブルが用意される。無料の公衆無線LANや電源用コンセントも配置され、今の旅行に求められるニーズを満たす車両となる。
●地域活性化用の普通気動車も2両増備
JR北海道では地域活性化を目的として、観光列車としても利用可能な普通気動車を4両改造し運行しているが、2019年9月までに2両増備する。新しい気動車は、「紫水」と「山明」がテーマで、北海道の大地の恵みと自然をイメージしたデザインとなる。内装も、普通の気動車とは異なり木材を利用して、テーブルの設定などが行われる。臨時列車だけでなく一般列車としても利用される予定だ。(記事:speedbird・記事一覧を見る)