AMG、ほぼレーシングカーのスペックを持った「AMG GT R PRO」限定20台発売

2019年2月15日 12:18

 メルセデス・ベンツ日本は、「メルセデスAMG GT R PRO」を発表し、全国のメルセデス・ベンツ正規販売店ネットワークを通じ予約注文の受付を開始した。

 メルセデスAMG GT は、メルセデスAMG社による完全自社開発スポーツカー“Handcrafted by Racers.“をスローガンに掲げ、何よりもスポーツカーを愛する人のためにAMGのレーシングスピリットと技術をあますことなく備えた超スパルタンなモデルだ。

 メルセデスAMG GT R PROは、4リッターV型8気筒ツインターボ(585ps/700Nm)を搭載するメルセデスAMG GT R をベースに、レーシングカーであるAMG GT3 およびAMG GT4 で培った技術が投入され、サスペンション、軽量構造、エアロダイナミクス、エクステリアなどに手を加えることで、運動性能をさらに向上させている。

 新設計のAMGコイルオーバーサスペンションは、サスペンション設定をサーキットに応じてセットアップすることが可能で、プロドライバーによるレースの場合と同様、プリロードによるスプリング長の機械的調整に加え、縮み側および伸び側のダンパー特性も設定できる。この調整は工具を用いずにすばやく正確に行えるようにするため、ダンパー上に調整ダイヤルを設けたクリックシステムを採用した

 フロントサスペンションは、軽量なカーボンファイバー製の調整式トーションバーを備える。リアサスペンションはスチール製の調整式で、中空管構造により軽量化が図られた。

 リアアクスルのロアウィッシュボーンにピロボールジョイントを採用しているが、AMG GT R PRO ではこれをアッパーウィッシュボーンにも用いた。通常のウィッシュボーンベアリングより耐摩耗性がはるかに高いうえ、設計上まったく遊びがないことから、大きな荷重を受けてもトーインとキャンバーが変化しない。その結果、さらにドライバーの意思どおりの走行が可能となった。

 リアエンドのアンダーボディに設けたカーボンファイバー製パネルも、優れたハンドリング精度の実現に役立つとされる。軽量かつ高剛性の部材はリアエンドの剛性を高める、ボディシェルの安定性を強化した。

 軽量化に貢献するカーボンファイバー製コンポーネントの採用は多彩だ。専用ブラックペイント仕上げのブレーキキャリパーを備えるAMGカーボンセラミックブレーキ、カーボンファイバーバケットシート、軽量なAMGパフォーマンス5ツインスポーク鍛造アルミホイールは専用チタニウムグレーペイント仕上げのリムフランジがハイシーン仕上げだ。

 また、レーシングカー並みの走行性能を実現するために、カーボンファイバー製の中央部が凹型の専用形状ルーフ、フロントスプリッター、フェンダーフィン、サイドシルトリム、リアディフューザーを採用することで徹底した軽量化を追求した。

 AMG GT R PROは昨年11月初旬、AMG GT3 レーシングドライバーのマロ・エンゲルが、ニュルブルクリンクのノルトシュライフェで、まだカモフラージュをかけた状態のAMG GT R PRO をドライブし、7分04秒632のタイムを叩き出した。これはAMG GT Rの過去の記録を大きく破るものであり、AMG の新しいフラッグシップモデルとしての優れた能力を証明する形となった。

 AMG GT R PRO(左ハンドル)の日本での価格は2900.0万円。国内20台だけの限定販売となる。(編集担当:吉田恒)

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